case.5 ページ6
抵抗する間もなく連れてこられたのは、ポアロの近くにある駐車場。
マツダの白いRX-7。
その助手席にAを乗せて、安室は運転席へと移動した。
「さて…ここなら聞き耳たてる輩も居ませんし、何かと都合がいいでしょう。」
何処か冷たい声色で呟きつつ、端末を取り出した彼は、先程Aが送ったものを目の前に掲げた。
「"神と共に歩んだ正しい人"…貴女何者です?」
『普通の人間はそのフレーズを聞いたら痛い人間としか思わないはずですけど。流石は"ゼロ"ですねぇ〜。』
"ゼロ"という言葉が出た瞬間、僅かに反応を示した安室だったが、彼はにこりと笑みを貼り付けて誤魔化した。
「何のことです?」
『ああ、隠さなくていいですよ〜。ある意味同業者なんで、貴方に限らず貴方"達"のことは全員知ってます。ついでに私は敵ではないので。』
「敵かどうかを決めるのは貴女ではありませんよ、Aさん。」
普通なら知り得ない情報を知ってる彼女に、一層警戒心を強める安室透。
その姿に溜め息を一つ吐いた彼女。
厄介なのに捕まったなと内心考えていた。
『私立探偵、喫茶ポアロの店員、安室透。本名降谷零。警察庁警備局警備企画課所属。黒の組織に探り屋として潜入中。コードネームはバーボン。特技はボクシング、料理、テニスなど。…随分と多彩な顔をお持ちのようで。』
車中にいるというのに、余裕をぶっこいて彼のプロフィールをつらつらと述べていたのがいけなかった。
突如視界が変わる。
座席を後ろに倒され、車の天井が見えたと思えば、彼の顔が視界に入った。
「貴女が敵の場合、車中に招くのは僕にとっては不利にしかなりませんが…その逆を忘れないでくださいね?」
『ひぇっ…』
思わず変な悲鳴が出る。
その様子を見て彼女を見下ろしながら、頬をゆっくりと撫でる安室透__降谷零に、Aは再び、鳥肌が立つような感覚に襲われた。
「さて、貴女のことを教えてもらいましょうか。こちらのことだけ知っているのは些か不公平ですからね。」
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時