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case.48 ページ49

Aは絶句した。


必ず、この窮地を脱せねばならぬと決心した。



…なんて某有名小説の書き出しみたいなことを考えていても、目の前のイケメンの視線が自分から逸らされる筈もなく。


この男のことを一方的でも知ってるAとしては、極力接触は避けたい方向である。


それでなくとも、彼はイケメンだ。


…そう、イケメンなのだ。



つまり、何が言いたいかと言うと、私はイケメンが嫌いなんだよ!!!



荒ぶる思考を何とか抑えて、にっこりと人当たりのいい笑みを浮かべる。



さも、貴方の事は何も知りませんとでも言うように。



『…何処かでお会いしたことがありましたか?』



「…ふふ、いいえ。偶々目についた貴女が可愛らしい方でしたので、つい…。ところで、後ろの方はお連れの方か何かですか?」



どうやらストーカーに気付いているらしい。


流石、といったところか。
でもごめんね、そのカマには乗ってやらない。



『…?私は今日此処までずっと一人ですけど?』



「そうですか…いえ、何でもありません。僕の勘違いでした。」



一瞬、開かれた片目に気付きながらもAは見ぬフリをした。


一々反応してたら足元を掬われると知っているから。



『もういいですか…?』



「ああ、失礼。」



しかし、彼があっさりと解放してくれる筈もなく、一定の距離を保って後ろを付いてくる。



いや、何でだよ。


内心イラつきながらも、冷凍食品のコーナーに入る。


適当に幾つか食べやすそうなものをかごに放り込んで、レジへ向かおうと踵を返した瞬間、直ぐ目の前に先程のイケメンが立っていた。



思わず本能的に飛び退きそうになったのを抑えて、驚きとそして困った様な顔を貼りつけて首を傾げた。



『な、なんでしょうか…?』



「…ああ、失礼。しかし、冷凍食品ばかりでは体に悪いですよ。…そうだ、僕の家に今肉じゃががあるんですけど。今朝、作りすぎてしまって余っているんです。良ければ貰っていただけませんか?」



『…あ、いえ、結構です。お気持ちは有り難いんですけど何も毎回こんな食事をしているわけではありませんので。』



降谷が聞いたら怒りそうな嘘だな、とAは思った。


目の前の彼は渋々引き下がってくれたのだが、結局レジまでずっとついてきた。


自分のことを沖矢昴と別れ際に名乗った男。


二度と関わりたくないと思ったAだが、彼と再会するのもそう遠くない話だと後々知ることになる。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時

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