情報屋Nの受難【名探偵コナン】

case.35 ページ36

降谷side


「え？タクシーのレシートの文字が消されていた？」


喫茶店のバイトの日、大尉が来た時間にマスターが呼んでいる、と梓さんを呼びに行った時、手元から飛んでいった紙。


それについて「何でもない」と言葉を濁した彼女だったが、大尉の餌皿を回収するのに再度外に出た際、聞いてみれば首輪にレシートが挟まっていたとのこと。



それを見せようとして風にさらわれてしまったらしい。


「この猫が毎日ここに餌をねだりに来るのを知ってるのは…」



「割りと最近来るようになったから…知ってるのは私とマスターと安室さんと…あとはコナン君くらいですけど…」


「へぇーー…江戸川コナン君ですか…」


「それと、そのレシートを取るときに首輪に触ったんですけどかなり冷たかったような…」


文字の消えたレシートに残った"corpse"…冷たい猫の首輪…。そしてその状況を知らせたのが江戸川コナン君だとすると、だいぶ非常事態なのだということが降谷には容易に想像ができた。


「確かあっちの方に飛ばされましたよね？」


「えぇ！？まさか捜すんですか？」


「マスターには急に体調を崩して早引きしたと言っておいてください！今日のバイト代はいらないからと…」


降谷はそう言って、レシートの飛んでいった方向に駆け出した。

そして端末を取り出したとき、通知が一件来ているのが目に入った。



公安やバーボンとしての端末ではない。
プライベートのものにこのタイミングで入ってきたメール。


差出人は不明。


アドレスは



「"Noah's Ark"…」



チーター宅配
車両No.米花xx-xxx
Corpse



まさか、Aさんも一緒に居るのか…？


降谷は急いでレシートが飛ばされたであろう地点へと向かう。



予想通り落ちていたレシートを拾って、降谷は口角を上げた。


レシートに浮かび上がる文字と先程のメールに書かれていたナンバーも一致する。



そして降谷は再び駆け出した。



降谷side＿END

case.36→←case.34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す