【続編】幼なじみに失恋しました【神威】

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【A】




神威くんと喋っているとお母さんからメールが届いた。
神威くんが一緒なら夕飯に誘えという指令だった。


神威くんが毎日家まで送り届けてくれているのはお母さんも知っていることだ。
私は神威くんに聞いてみる。




A「神威くん、お母さんが夕飯食べていかないかだって」




神威「食べたい」




A「了解」




こういう神威くんの素直なところすごく気に入っていた。
また神威くんがいるとお母さんは上機嫌になって私に優しくなる。




神威「一つ聞きたいんだけどさ、幼なじみもよく夕飯食べてたの？」




A「あー、多分最後に食べたのは今年の春先かな。でも頻度は年々減っていって、高校に入ってからは半年に１回とか」




神威「そうなんだ」




今思えば、高１のときから総ちゃんは神楽ちゃんと仲良かった。
といっても二人の場合お互いを貶し合って憎まれ口を叩きまくっていたから仲が悪いと思われがちだけど、総ちゃんがあんなに楽しそうなのは初めて見た。


その時から薄々感じていた。
総ちゃんは神楽ちゃんが好きって。




A「……最近ね、少し変化が出てきた」




神威「変化？」




A「総ちゃんのこと、好きっていうよりは情が強いんだと思う。ずっと一緒に育ってきたからそればっかりはしょうがない」




だからだと思う。
私は神楽ちゃんと総ちゃんを引き裂いてでも総ちゃんを取ろうなんて思わなかった。
2人の関係を項垂れながらも受け入れた。


それに私は総ちゃんと対等じゃなかった。
偽った自分でずっと総ちゃんを欺いてきた。
私は今、立ち直っているのかな。
少しずつだけど、前を見れてる気がする。




A「次に好きになる人には、自分を隠さないでいようと思う」





素の私を好きになってくれる人なんているのかな、と苦笑すると、神威くんは微笑んで言った。




神威「いるよ。必ず」





その声は小さいのにとても力強くて、私に勇気を与えてくれた。

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