9 ページ9
.
寝返りと同時に目が覚めた。
と言うのは言い訳かもしれない。
なんせさっきからお腹が鳴るからだ。
1人寝室でゴロゴロと転がり暇だと称して部屋をぐるりと見渡す。
クローゼットを勝手に開ければ数着のスーツ。
タンスはなく、ベッドのみ。
男の一人暮らしはこういうものなのか?とリビングに出ようと手にかけようとしたドアノブが動いた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
「うわっ!」
「あ、ご、ごめんなさ…はっ…はっ…」
「いえ…こちらこそノックもなしにすみません…」
大の大人2人でドキドキうるさい心臓を落ち着かせる。
子供じゃあるまいし何をびびっている…とベッドに座ると安室さんも同じようにベッドに座ってきた。
近い。
「お腹すきませんか?」
「え?……あ、はい…」
「お粥作ります」
「え!いや、いいです!コンビニにでも行き---」
「なんですか?」
「オネガイシマス」
ゾクッと駆け抜ける悪寒がAの体を硬直させる。
Aが大人しくした所で安室は笑顔で寝室を出ていった。
ひゅっ、と息が詰まっていたことに気付いてAの額に汗が滲んだ。
あの感じ何…?
すごく、怖かった…。
昔護身用に習っていた空手の先生も同じ感じの雰囲気を出していたのを思い出した。
なんだっけ…あの感じ…すごく嫌で…怖くて…。
あ。
「殺気だ…」
納得するとそのまま枕に倒れる。
でもあの殺気は違う。
元警官だったおじいちゃんに似てる。
すごく尖ってて、鋭くて、隙のない感じで…。
すごく、嫌な…。
「Aさん、お粥できましたよ!」
「嫌い」
「え!?ごめんなさい!風邪を引いた時にはお粥が一番だと!作り直してきます!」
「え…?ちがっ!まっ!食べるから!」
「え?…食べれますか?」
「うん、だからちょうだいよ」
「僕の愛たっぷりですから」
「うん、なんか急にお腹膨れてきたかも」
もじもじする目の前の男はきもい。
いや、女子高生からしたら絶叫もんだろうなぁ…。
れんげでお粥を食べると丁度食べやすい温度。
食べやすい?
「冷ましておいたんです」
「よく私の起きる時間帯わかったね」
「勘ですよ、Aさんポアロの賄いしか食べてませんでしたしあれから結構経つので」
「今何時?」
「2時です」
「おーまいが」
.
ぺろりとお粥を平らげると充分寝たはずなのに睡魔が襲ってくる。
それを見て安室さんは冷えピタに氷枕を用意してくれた。
……透ママかな?
1666人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
+ちっく(プロフ) - ぬこぬこさん» コメントありがとうございます(*´ω`*)いくら有名な探偵でもちょっとのお色気はお約束なので安室さんにも織り込んでみました(・∀・)楽しく見て頂けるようにと投稿しているのでそのように言ってくるととても嬉しい限りです(*´ω`*)コメントありがとうございます!! (2019年3月10日 1時) (レス) id: 0aa7522e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 安室さんが冷静な目で谷間ガン見してるの想像したら腹痛いwww (2019年3月9日 13時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます!!誤字脱字の指摘本当に感謝致します(´;ω;`)読んでいる方にもちゃんと理解して貰えるように誤字脱字を少なくしていきます!(;ω;´)読んで下さりありがとうございます! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 6cb750888f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 39話に誤字がありました。「飲んだいた」ではなく、「飲んでいた」です。 (2018年7月15日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話に誤字がありました。「楽しうな」ではなく、「楽しそうな」です。 (2018年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:+ちっく | 作成日時:2018年7月9日 17時