【安室透】私はブサイク専門【降谷零】

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私は今夢を見ているんだろうか。

いや、夢だったら即刻起きたい。

むしろこのままでもいいのかなぁ。



「Aさんとお付き合いしている安室透です、Aさんはこのまま僕が連れ去ります」

「安室さん！？Aも何か言いなさい！大事なお見合いの最中なのよ！」

「いや、なんか…このままでいいかなぁと」



A！！

大きく怒鳴られて少し驚いたがお姫様抱っこをされている私からしたらこの状況が1番の驚きだ。

お見合い相手の人なんて完全に放心してるし。

相手のお母さんなんて「まぁまぁ…」とか言って頬赤くしてますよ。

まじマダムキラー。

かっこ女子高生へと幅広く好まれる顔の男安室透かっことじ。









「断った？！」

「私安室さんと付き合ってるし、だったら別れてからじゃない？ま、付き合わないけど」

「なんてこと…！」

「なんてことって…散々言ってたのに…何期待してたの？」

「相手の方になんて言えば…！！」



なんてって…。

何を言ってるんだろうねぇ…この人は。

帰る準備のため荷物をまとめていると待ちなさい！と怒られた。

不機嫌な顔で後ろを振り返るとぶつぶつ呟きながら私の部屋をあっちに行ったりこっちに行ったりと行き来している。



「明日謝るわよ！言ってしまった事は仕方ないわ…！」

「へいへい」



まあ、向こうはお見合いってことだから彼氏持ちで参加してしまったこっちも悪い。

てゆか私悪くないよね！

安室さん紹介してから日取り決めたって帰ってきてから聞いたし！

私悪くないし！



「…はぁ」



今日はもうお風呂入って寝よ。









「すみませんでした！」

「本当にごめんなさい」

「いえいえ、こんなに美しくて非の打ち所がないAさんですから、彼氏が居てもおかしくないですよ」

「ええ、とても羨ましいことですよ」



2人して土下座。

お見合い相手の男性とお母さんにこれでもかと頭を下げてその場を収める。

なんでよ…。



「ですが…」



いつもよりワントーン低い彼の声に私は眉をひそめた。

これは何度も体験したことのある…。

私の大嫌いな空気だ。



「僕の心に深いダメージを負いました…治るまでAさんともう少し居たいのですが」

「は？」



嫌な予感的中。

そういう事ね。

なんとしてでも思い通りにしたいってこと。

随分甘やかされた坊っちゃんですね。









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「行きますか…」



愛車の車のハンドルを掴むと安室はアクセルを踏み込んだ。

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