【安室透】私はブサイク専門【降谷零】

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最初からクライマックスが流れその経路に至るまでのストリーが始まった。

主人公の男は闇の組織と言う悪の組織のスパイをしている警官として始まった。

ありきたりの内容に少しだけつまらないと思ってしまった。

部下と先輩の会話のシーンがつまらなくてチラリと左にいる安室さんを見ると真剣。

真剣すぎていつ瞬きしてんの？ってくらい真っ直ぐ見てる。

こっちが見てるってのに気が付いてないくらいに真剣で男だなーと思ってしまったり

それからぽつりぽつりいるお客さんを無意味に数えているといきなりの爆発音。

びっくりして画面を見ると主人公の同期の男が爆弾の解除に失敗したらしい。

苦しそうに息を切らしながら同期の男は主人公に闇の組織を捕まえてほしいと残して目を閉じた。



『高田ぁぁぁぁぁあ！！！』



あまりにも切羽詰まった主人公の声に交じってちらほらとすすり泣く声が聞こえた。

うん、確かにこれだけ迫力があれば引き込まれる。

すごいなぁ、とボリボリと色気もなく足を組んでポップコーンをつまむ。

ジュースで喉を潤してふ、と安室さんを見る。



「え」



号泣してた。

じっと画面だけ見てただ涙を流してるだけ。

拭くこともしないでただ見てる。

1連の作業のように見えて少しだけ眉を寄せた。

青い瞳の奥で燃える炎が見えた気がした。









「安室さん」

「はい！…あ」

「拭いてください、エンドロール終わったら電気ついちゃいますから」

「ありがとうございます…」



ハンカチをそっと安室さんの目元に押し付けて耳元に口を寄せる。

バツが悪そうに笑ってから安室さんは行きますか、と立ち上がる。

ゆっくりついた照明に照らされてキラキラと安室さんの髪が光った。

さっきのは気の所為…？



「ご飯行きますか」

「あ、うん、行こう」



切り替えが早いのか泣いていたことなんて嘘みたいにまた笑顔でエスコートしてくれる。

安室さんが泣いたのは2回。

爆弾の所と仲間が打たれて死んだ所。

最後は続編見たいな感じで終わりまさか次回作あるんじゃ…とも思った。

まぁ、安室さんなら1人でも見に来そうだけど。









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「お腹いっぱいー！」

「行きたいところありますか？」

「んー？…んー……服、見たいかな」

「了解」



楽しそうに笑う安室さんの横顔を盗み見ては映画館の事が嘘のように感じた。

けど、ほんの少しだけ腫れた目元は確かに現実味を帯びていた。

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