【安室透】私はブサイク専門【降谷零】

2-イケメンの女子力 ページ2

.



おいしいー！

そう叫ぶ目の前の女子高生に私の額に青筋が浮かんだ。

いつからここは女子高生のたまり場になったのか。

見渡せば仕事中のサラリーマンが申し訳なさそうに座っているのが見える。

新聞を読んでいたおじいさんはそそくさと喫茶店から出て行き私は静かに苛立ちと呆れの狭間を行き来していた。

営業スマイルを振りかざすアフロ…じゃない、安室は気にしていないのか？

梓さんはお客様だし…とオロオロ。

ついに切れた私は安室を呼び出し代わりに梓さんにカウンターへ立ってもらった。



「安室さん」

「はい」

「お客様を大事にするのはいいですが、店員として注意しなければならない時もあるのはご存知ですよね？」

「…女子高生の事ですよね…」

「わかっているならヘラヘラしないで注意してもらえますか？他のお客様への配慮もしてください」

「すみません…以後気をつけます…」



しゅん、とする安室さんの表情に罪悪感は一切ない。

むしろ自分のせいでこうなってるなら自分でなんとかしろ、と強く心の中で怒鳴る。

表情に出ていたのか安室さんと目が合うと今度は深々と頭を下げられた。

それからカウンターに戻る安室さんを見送ることも無く私は梓さんに頼もうとしていた買い物をしにさっさとポアロを出た。

頭を冷やすには丁度いい、と梓さんに買い物の伝言を残して。









これはなんだ…。

ポアロに近付くにつれて女子高生の群れ群れ群れ群れ。

通り過ぎる女子高生から聞こえた言葉に私は帰りたくないなぁ…と晴れた空を見上げた。

“すっごいイケメンが居るって！しかも怒った顔がこれまたすごくいいのー！！”



.

3→←1-新しい仲間

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す