キス魔の私。【第五人格】

彼 ページ24

『お疲れ様』


試合終わりの彼に話し掛ける。彼は少し疲れた様子で私の肩に手をかけた。


「調香師だけ逃がしちゃった」


『でも、凄かったわ』


「本当？励みになるよ」


彼はそう言うと、私を胸元に抱き寄せた。自分の心臓が大きく脈打っているのを感じる。


「あ、ごめん」


彼は恥ずかしそうに言うと、私を抱き締めていた腕をほどいた。こういう一面も可愛らしい。


「あ！！おねーさんとおにーさんがいちゃついてる！！」


後ろから声が聞こえた。この話し方は、泣き虫のロビーだろう。子供によくないものを見せてしまった。


「こら、他の人に言っちゃ駄目だよ？」


すかさず後ろを振り返り、彼はロビーにキャンディを手渡しながら言った。ロビーはキャンディを貰えて満足したのか「わかった！！」と、嬉しそうな声で言うと何処かへ行ってしまった。


『危ない、、、』


「ノートンから貰ったキャンディに助けられたよ」


ノートンは甘党なのか。


ふと思った疑問を心の中にしまい込み、彼との会話を続けた。

『話変わるんだけど、ここのエウリュディケ荘園って何の為にあるの？』

いきなりの質問に彼は眉間に皺を寄せた。少し考えた後に「僕にも分からないや」とだけ答えた。荘園の主でもない限り、この問題の正解は分からないのかな。

「そういえば、イライが君とティーパーティしたいって言ってたよ」


『イライが？』


「うん」


男が誘うとは珍しいな。きっと何か裏があるのだろう。


「イソップとの親睦会だって」


『イソップとのお茶会じゃない』


イソップとの親睦会。話が続かなそうで心配だ。

「あ、僕も行くから安心してね」

良かった。彼の言葉に安心した私は、ティーパーティへの参加を了承した。彼によるとティーパーティという親睦会は今晩だそうだ。




___

最近更新出来てなくてすいません(´；ω；`)
次回作のストーリーに試行錯誤してまして()
もしかしたら、前のページで宣伝した内容と違うかもしれません。
次回作予定の作品が三作品あるんですよ()
どれ出そうか迷ってて、、、
気長にお待ちいただけると嬉しいです！

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←彼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す