甘い蜜 ページ21
窓から差し込む光が顔に当たり、眩しくて目を覚ます。シーツから、いつもと違う匂いがする。
そうだ。昨日は彼と一緒に居たんだ。
「おはよう」
彼が私に声をかける。また服装が変わっている。気になったので、彼に聞いてみることにした。
『服、変わってるわね』
「新しい服なんだ」
彼は嬉しそうに私の前に来て、くるっと一回転する。所々に施されている金の細工が美しい。
「アズライールって名前。気に入ってるんだ」
アズライール。そう呼ばれた服は、まるで妖精の様に綺麗な服だった。
『そういえば、髪型も変わってる』
「そうそう」
頷きながら、彼がこちらへやってくる。
私の後頭部を優しく押さえながら、口付けをしてきた。大胆な。
「おはようのキスだよ」
彼は嬉しそうに、いや、楽しそうに言った。
すると、彼はベットの上に乗り、私の髪を触りだした。
『何するの?』
「秘密」
器用に私の髪を編み込んでいく。分かった。同じ髪型にしようとしているんだ。
私がそう考えている間に黙々と、彼は編み込みを進めていく。
『髪、長いから大変じゃない?』
心配になって聞く。
「全然」
私の髪は踝辺りまで伸びている。それを編み込もうと思ったら、相当な集中力がいる。
「出来た」
私があれこれ考えているうちに、彼は編み込みを終わらせていたらしい。早い。
「これでお揃いー」
笑顔で言われた。彼は自分の髪を掴み、嬉しそうに見つめている。編み込みをした為、髪の長さは少し短くなってしまったが、可愛らしい髪型だ。
「行こう」
彼は私の手を取り、ぐいぐい引っ張る。私は、それに合わせるためにベットから立ち上がり、彼のペースに合わせて歩き出す。
部屋を出る。
「僕、今日試合なんだ」
そうなんだ。今日は彼の試合の日なんだ。彼は一体どんな能力を持っているのだろう。
『頑張ってね。ジョゼフはどんな能力を持ってるの?』
彼は、ふふっと笑った後、私の耳元で「内緒」と呟いた。余計気になるじゃないか。
「あ、もうすぐで着くよ」
手と手を離す。掌に、まだ熱が残っている。
『また後でね』
彼にそう告げ、いつもの席へ座る。
前の席の人が犬の様に唸っている。
『散歩行ってないから不機嫌なの?』
冗談混じりにナワーブに話しかける。
ナワーブは不機嫌なまま「あ?うるせーよ」とだけ返してくれた。
「試合なんだよ、今日」
そうなんだ。
「ハンターはジョゼフだし」
彼ってそんなに迷惑な能力を持っているのか。
137人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Clay.(プロフ) - さめさん» 実は少し、、、自然と似ちゃうんですよね。やっぱり服とか変えた方が良いんですかね、、、 (2019年12月9日 6時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
さめ(プロフ) - 表紙?のやつってもしかしてキルマー参考にしたりしました?(似てたので違ったらすみません) (2019年12月8日 23時) (レス) id: ebdf180e41 (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - 暇林檎さん» 閲覧してくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月7日 19時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
暇林檎 - 雰囲気が大人っぽくて凄い面白いです!!頑張ってください! (2019年12月7日 17時) (レス) id: 21d25cd3cb (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - yさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月3日 7時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Clay. | 作成日時:2019年12月1日 16時