傷んだ薔薇 ページ15
怖い。恐怖心のあまり目を閉じる。
すると、またパリンと音が聞こえた。
目を開くと違う場所にいた。教会らしき建物が見える。
そう。
ゲームが始まったのだ。
手には剣を握っている。
とりあえず、サバイバーを見つけないと何も始まらない。辺りを探すことにした。
バン。
何かを倒す音が後ろから聞こえた。さっき通った場所の板が倒されていた。誰かいるのだろう。
私は両方を重ねて合わせて祈るポーズをとった。目を閉じる。気付くと倒された板の後ろにいた。サバイバーが見える。
『見つけた』
見つけたサバイバーを追いかける。
後ろ姿を見る限り、心眼のヘレナだろう。
ヘレナの後ろへ近づき、剣でヘレナの背中を刺す。「うっ」というヘレナの苦しそうな声が聞こえる。
そして、もう一度攻撃しようと剣を振り上げた時に“ぽっぽちゃん”がヘレナを庇うようにヘレナの背中にとまった。
そのまま、ぽっぽちゃんを攻撃してしまった。
ヘレナは、その間に遠くへ逃げる。
『逃がさない』
私は剣に毒を塗る。体を痺れされる毒だ。
ヘレナをそのまま追いかける。
ヘレナは私が近くへ来ると、フェイントをかけるように辺りをぐるぐるする。
タイミングを見計らってヘレナを刺す。
ヘレナは苦しそうな声を出し、そのまま倒れてしまった。
倒れたヘレナを風船にくくり付け、ロケットチェアの方へ運ぶ。
そして、誰にも邪魔させることなく、ヘレナをロケットチェアに縛り付けることに成功した。
耳鳴りがする。
誰かが近くにいる。
後ろを振り向く。
占い師のイライだ。
イライは私が何処かへ行った隙に救助するつもりだろう。
全て分かってるから。
絶対に救助させない。
一番強い毒を剣に塗る。派手派手しい紫色の毒が剣から、したたり落ちる。
『残念だったわね』
目にも見えぬ速さでイライの後ろへ回り、後ろから刺した。
イライはこちらを見て、少し笑うとそのまま倒れてしまった。
風船にイライをくくりつけ、ロケットチェアの方へ運ぶ。
その間にヘレナが縛りつけられたロケットチェアは何処かへ飛んでしまっていた。
イライをロケットチェアに縛り付ける。
「別人みたいだね」
イライが私に話しかける。
『そう?』
その一言だけ返した。認めたら、全て無くなってしまう気がして。
耳鳴りがする。
誰かが救助しにきたのだろう。
殺してやる。
昔の事と重ね合わせて、そう思った自分が怖かった。
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Clay.(プロフ) - さめさん» 実は少し、、、自然と似ちゃうんですよね。やっぱり服とか変えた方が良いんですかね、、、 (2019年12月9日 6時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
さめ(プロフ) - 表紙?のやつってもしかしてキルマー参考にしたりしました?(似てたので違ったらすみません) (2019年12月8日 23時) (レス) id: ebdf180e41 (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - 暇林檎さん» 閲覧してくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月7日 19時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
暇林檎 - 雰囲気が大人っぽくて凄い面白いです!!頑張ってください! (2019年12月7日 17時) (レス) id: 21d25cd3cb (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - yさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月3日 7時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Clay. | 作成日時:2019年12月1日 16時