綺麗な薔薇には棘がある ページ13
「お手紙ありがとう。何か相談したいことがあったら、この手紙に書きますね。」
短いけど、この位の内容しか思い付かない。
封をして手紙を扉に挟む。
果たして取りに来てくれるのだろうか。
そんなことを考えているうちに眠ってしまった。
コンコン。ドアをノックする音が聞こえる。
まさか、まさかの寝坊した?
「Aさん、起きてる?」
『あー!起きてるわ!今出ます!』
慌てて扉を開ける。ジョゼフさんが扉の外にいた。昨晩挟んだ手紙が無くなっている。手紙の送り主が確かに受け取ったのだろう。
「朝食の時間だよ」
『あ!はい!』
部屋の外に出ようとしたが、自分が裸足だということに気付いた。慌ててヒールを履く。見てほしくない一面をジョゼフさんに見られてしまった。どうしよう。
「焦らなくていいよ」
流石紳士。レディに対する接し方を得ている。
『履き終わったわ』
「じゃあ行こうか」
『ええ』
笑顔で頷く。その後に私は彼の手を取った。
彼の頬が紅潮する。可愛らしい青年ね。
そのまま彼の手を引く。
「よ、良かったら、今日のゲームが終わった後に写真を撮るんだけど、被写体になってくれないか?」
いきなり誘われた。しかも、写真の被写体になってほしいとか独特過ぎる。
『ええ。いいわよ』
「ありがとう。助かるよ」
端から見ると何を話しているか理解出来なさそうな会話をしているうちに食堂らしき場所に着いた。皆に彼と手を繋いでいることをばれたら何を言われるか分からないので、皆に気付かれる前に繋いでいた手を離した。
「Aちゃんの席はこっちよ〜」
エミリーが笑顔で手招きをする。『ありがとう』と返し、ジョゼフさんに一礼をした後、エミリーが教えてくれた席に座る。正面の席には豆フードのナワーブが座っていた。
「何でお前なんだよ」
ナワーブが不満そうに言う。長年男達に従順しられていた私なら分かる。本当はそんなこと一切思ってないくせに。
『私だって嫌よ』
一応、会話を合わせるために私も思ってもないことを口に出す。
「喧嘩しないの」
私の隣に座っていたエミリーさんが、まあまあとその場を収めてくれた。
「用意出来たぞ〜」
バーメイドのデミが言う。その声に合わせて、ノートンとエマが皿に乗った朝食を配り始める。私の前にも朝食が置かれる。パンケーキだ。蜂蜜が沢山かかっていて美味しそう。
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Clay.(プロフ) - さめさん» 実は少し、、、自然と似ちゃうんですよね。やっぱり服とか変えた方が良いんですかね、、、 (2019年12月9日 6時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
さめ(プロフ) - 表紙?のやつってもしかしてキルマー参考にしたりしました?(似てたので違ったらすみません) (2019年12月8日 23時) (レス) id: ebdf180e41 (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - 暇林檎さん» 閲覧してくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月7日 19時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
暇林檎 - 雰囲気が大人っぽくて凄い面白いです!!頑張ってください! (2019年12月7日 17時) (レス) id: 21d25cd3cb (このIDを非表示/違反報告)
Clay.(プロフ) - yさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月3日 7時) (レス) id: eccd71672a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Clay. | 作成日時:2019年12月1日 16時