年下恋愛対象外２【赤】

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「写真…ですか？」



私がそう言うと、女性は少し慌てた様子で



『あっ、あの、…素敵なカップルだなと思って』



と言った。


すぐに否定すればいいものの、重岡くんと付き合ってると思われたことに少し嬉しくて、言葉が詰まる。

そんな私に、重岡くんは少し困った表情を浮かべながら



大「あぁ、いえ、俺ら付き合ってはないんです」



と女性に伝えた。

あまりにもすぐに否定するから、少し寂しい気持ちになる。


そんな私たちに、女性はすみませんと謝りつつも



『すごく素敵な空間でしたので…お二人の世界』



と言って、写真を一枚撮らせて欲しいと改めて言われた。

まあ別に減るもんじゃないしな。

なんて思いつつ、私と重岡くんが二人で水槽を眺めている所を後ろから女性がカメラのシャッターを切った。



『せっかくなので、写真転送しますね』



今時のカメラってすごい。

すぐに写真がスマホに送られる。


そこには水槽に反射する綺麗な青に包まれた後ろ姿の私たち映っていた。

何かバンドのジャケット写真みたい。なんて思っていると



『ありがとうございました、素敵な写真が撮れました』



と言って、女性は満足そうにぺこりとお辞儀をして去っていった。


嵐のように去っていった女性に、私と重岡くんは顔を見合わせたが。

何となくお互いが言いたいことが通じた気がする。


“今日、あなたとこれて良かった”


なんて。







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水族館は、いいくらいの人の多さだった。

少し薄暗い水槽に囲まれた部屋には、怖がってか子どもはおらず静かな空間に包まれていた。

何も考えなくていい。

ただ、重岡くんが隣にいる熱を感じるだけだった。


そのうち、今日のメインであるクラゲがいる部屋へと入ることになった。






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