年下恋愛対象外２【赤】

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ピピピ…

ピピピ……



アラームの音でふと目が覚めた。

随分と懐かしい夢を見た気がする。

私たちがまだ大学生だった時の話。


うーん、と伸びをしてふと隣を見ると上半身裸の大毅がすやすやと夢の中に落ちていた。

ゆさゆさと彼を揺さぶると、少し眩しそうに目を開ける。



「…今日の朝ごはん担当は大毅でしょ」

大「……んー、もうそんな時間？」

「うん、おはよう」

大「ふはは、おはよ。Aさん」



太陽のような笑顔で私に笑いかける大毅。

この時間がたまらなく好き。


休日の朝、目玉焼きとベーコンを焼く大毅の後ろで歯磨きをする私。



「……昨日ね、私たちが付き合う前の夢見た」

大「え、マジ？」

「うん」

大「恥ずいってー…忘れてって何回も言うてるやん」

「ほら、あれ。Aさんの仕草も声も全部好きで……」

大「だぁあ！！ほんま忘れてくれ！忘れろ！！」

「くふふ」



柄にもなくクサイセリフを吐いたこと、一生の後悔らしい。

寂しいな、私は結構好きやったけど。



「もうあれから5年やで」

大「……………」

「早いね〜」



私がそう言うと、大毅はふと真剣な顔をした。



大「……そっか…5年、か…」

「……ん？」



なんか呟いた気がしたけど聞こえなくて、彼に近づき耳を傾ける。






大「………結婚しよっか、Aさん」



「………え？」



大「今の俺ならAさんのこと幸せにできるで」



年下にリードされるなんて、昔の私には考えられなかった。

年下なんて、頼りなくて子どもにしか見えなかったから。



でも、大毅の目は冗談を言ってるようには見えなかった。

年下恋愛対象外……だったのに。




「……じゃあ、私のこと幸せにして？」


大「……うん、当たり前やん」




恋愛対象外なんて嘘。

私には、年下の貴方しかいないみたい。





【年下恋愛対象外】 Fin








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