46 ページ11
.
隣をちらりと見ると、重岡くんはキラキラと光る水槽をじっと何も言わず見つめたままだった。
やがて、私が見ていることに気が付いたのかハッとした様子で我に返る。
大「あっ、行きましょ!」
私が早く次へ行きたいと思ったのか、慌てて歩き出そうとした重岡くんを私は止めた。
「…ううん、もう少し見ようよ」
大「………」
そう言った私に、あははなんて少し苦しそうに笑った重岡くんは歩みを止めて、再び私の隣に立った。
二人でクラゲを指さしながら、綺麗だねとか言っているとさっき私が見ていて動かなくなったクラゲを発見した重岡くん。
大「あ、あいつ…」
「あ、あー…さっきから動かんのよ、全く」
大「死んじゃったんですかね」
「うーん、どうなんやろ」
周りのクラゲはふわふわ自由に泳いでいるのに、この子だけはどうもさっきから全く動きを見せない。
すると、重岡くんが不意に私の方を向いた。
大「………今日、Aさんと来れてほんまに良かったです」
私がずっと思ってたことを、重岡くんが口にする。
その言葉の真意が分からなくてドキドキした。
彼は私の事、本当はどう思っているんだろうか。
いつか聞いてしまった『好き』って?
どういう意味?
聞きたいことだらけなのに、重岡くんに聞けない。
返事が怖いから。
・
あぁ、そうか。
私、重岡くんのことが好きなんだ。
好きだから怖いんだ。
この瞬間、私の中にある疑問は確信に変わった。
「…私も、ここに重岡くんと来れてよかった」
私は目線を水槽に戻しそう言った瞬間に、さっきまで動かなくなっていたクラゲがふわふわと泳ぎ始めた。
私の発言が嬉しかったのか、動き始めたクラゲを見て安心したのか、重岡くんは心の底から嬉しそうな顔で笑った。
・
924人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桐山めぐ(プロフ) - 完結おめでとうございます\(^o^)/しげの『結婚しよっか』に、『はい/////』ってなりました笑笑 キュンキュンしすぎて死にそうでしたが無事最後まで読めました!笑笑 まだ続けて頂いけるようで嬉しいです♪次回作も楽しみにしてますね!お疲れさまでした(^_^) (2022年4月19日 22時) (レス) @page25 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
望月.(プロフ) - 桐山めぐさん» こちらこそ本当にありがとうございました!!桐山めぐ様のコメントがいつも楽しみでやりがいでした!!しげには色々頑張ってもらいました(笑)もし良ければ次回作もよろしくお願いします♪ (2022年4月19日 8時) (レス) id: 5c0d7b263a (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 忙しいのに返信ありがとうございます!いえいえー!!望月さんのお話大好きなので、いつまででも待ちますよ\(^o^)/最後のしげの言葉に心臓持ってかれそうになりました(^o^; 危ない危ない、、、笑笑 続きも楽しみに待ってます♪ (2022年3月16日 22時) (レス) @page22 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
望月.(プロフ) - 桐山めぐさん» 桐山めぐさま、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。桐山めぐさまには毎度励ましの言葉をいただき本当に感謝しております(;;)最後まで是非ともよろしくお願いいたします! (2022年3月13日 21時) (レス) id: 5c0d7b263a (このIDを非表示/違反報告)
望月.(プロフ) - 久美子さん» 返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。長らくお待たせしてしまい、謝罪の言葉しかありません…完結はいたしますのでもし宜しければ最後までお付き合いください(;;) (2022年3月13日 21時) (レス) id: 5c0d7b263a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:望月. | 作成日時:2021年9月14日 23時