分かち合い ページ33
夜、なーくんの言われた通りに起きている
と、本当に夜中、2時くらいに、コツコツと足音が聞こえた
それは、私の病室の前に止まったかと思ったら
コンコン、と律儀にノックをし、扉を開ける
扉を開けたのは、想像通り、ピンク色の彼、白衣を着たさとみくんだ、彼は、私が起きていることを確認すると、目を見開いていた、そして、掠れた声で
「眠れなかった…?」
と、不安そうに探る探る私の機嫌をうかがうかのように、問いかけてくる
『いいや、待ってたの』
「なんで…」
『さとみくんに、お礼言ってないし、あの後のこと何も聞けてないし、まぁそんなとこ?』
と、微笑みながら言うと、彼は、困ったように、笑い返してくれた
「まぁ、あの後、美咲は捕まった、そして俺達も色々事情調査受けた、まぁ、もちろん婚約破棄は確定だし、こんなことしたから、俺と親との関係はギクシャク、ほんと大変なことしてくれたよ」
『ご、ごめん…』
「いいよ、なんて、百歩譲っても言えないけど、これは俺にも責任ある、本当にごめん」
『なんで?さとみくんは何も悪いこと…』
「俺が助けて欲しい…なんて言ったから、Aちゃんはこんな怪我を受けたし、みんなを酷い目に合わせた、俺が言わなければ…こんなことには」
『いや、そんなことないよ』
と、私は急いで話を遮った
『そっか、さとみくんは、それで後悔してるのね、別にいいのに、あんなの補助だよ、私が動くための動力の一つに過ぎない、あれがあったから、なかったからって、私がこうなる未来は変わらない』
「でも!俺は、その助けを…」
『いいんだって、さとみくんには貸しがあるし?あんな私に親切にしてくれたし、そろそろ返さなきゃなーなんて思ってたし』
「だからってこんな!」
『いいんだって』
と、必死に自分を責めようとするさとみくんの手を握った、と言っても片手なんですけど
『ほんと頑固だなぁ、確かに私は怖かった、震えた、死ぬかと思った、不安しかなかった、逃げ出したかった、辛かった』
『あのままだったら、死んでたかもしれない、そうじゃなくても、私でいられなかったかも、でもね、それを助けてくれたじゃん、さとみくんは』
「だけど、もう何もかも手遅れ…」
『全然、死ぬこと以外、全部手遅れじゃないよ、逆に私はさとみくんにそんな思いつめさせてることに、責任を感じてる』
「っ!」
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あんな/ヨゾラ。(プロフ) - ベジタリアンマジ草。初めて見たとき吹きましたw センスの塊w (2020年6月16日 12時) (レス) id: 0fbbe5f873 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - 音兎さん» コメントありがとうございます!続編、祝って頂きありがとうございます!そうですね(暗黒微笑) (2019年12月27日 1時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
音兎 - 続編おめえぇぇぇ((殴 三葉マジでしばき倒したいわぁ(黒笑) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 7e3a6520ef (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!全然、大歓迎です!とっても嬉しいです!今頃、どうしてますかねぇ( ¯▽¯ ) (2019年12月15日 21時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - りぃ@天使様さん» コメントありがとうございます!ぜんぜんいいですよ!捌いちゃってください! (2019年12月15日 21時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつっと | 作成日時:2019年8月22日 2時