いちごたちと転校生【stpr】

鉛筆割っちゃった ページ47

side ころん

『ころん…』

掠れたあいつの声が聞こえた
とりあえず、僕はAとジェルくん親衛隊の真ん中に入る。

｢どうするつもり？結構酷いことしてるようだけど｣

改めてAの足を見ると、痛々しい痣があった
医療の知識はないけど、多分蹴ってすぐ痣はつかないと思うから、前にやられたものだろう、多分ね
としても、僕は1発だけだが、ちゃんとお腹を殴られてるところは見た

｢こ、ころん様！これは…違うんです！私達はただ､仲間がこいつにやられたので､仕返ししてやろうと…｣

｢証拠は？｣

｢えっと…こ、これです！｣

と、チビが見せてきたのは、確かにオレンジ色のリボンをつけた、女の子が酷い有様で横たわってる姿だった

｢嘘つくなよ、これお前らがやったんだろ､ジェルくんに近ずきすぎて、隊長の反感を買った子だよね、そうだよね？隊長｣

と、嫌味たっぷりな声で隊長に言った
チビとカチューシャ付けてるやつは、慌ててるが
当の隊長は、凛々しく

｢ええ、そうね｣

と言い放った

｢た、隊長！！｣

｢別にいいじゃない、事実なんだから｣

｢で、でも、ころん様を敵に回したら！｣

｢どうってことないわ、私はジェルくんと付き合って、愛を確かめ合えばそれでいいもの､ころんなんて見捨てても、大した損にはならないわ｣

こんなやつジェルくんと付き合えるわけないのに
ほんと､脳内お花畑？あと、

｢呼び捨てやめてくれる？ほんと汚れる｣

後ろで、なんでそんなこと気にしてんの？馬鹿なの？死ぬの？アホなの？､とかそんな声が聞こえた気がするけど、気の所為だろう
ていうか、こいつらほんとに汚い、だから嫌いなんだ女なんか

｢ほんと、こんな無愛想なやつのファンは､こいつの何処に惚れたのかしらね｣

｢た､隊長！おやめください！ころん様を怒らせるのはまずいです！｣

｢そうですよ！｣

いや、別に僕怒ってないけどね
こんな脳内お花畑のやつに言われたって、なんの傷もつかないし
何の…傷も…

バキッ

手に持っていた、風紀委員長から借りた鉛筆が割れた音がした


前言撤回､僕怒ってたみたい

てか、鉛筆割っちゃったんだけど、どうしよう
借り物だよ？これ

おんぶ→←ころんくん

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