挨拶 ページ42
あの後、未だに声真似をしているジェルくんを無視しながら、無心でご飯を食べ終えて、ゆっくりしていたら
隣の席に、誰かが座ったようでチラリと見る
その子は、オレンジのバレッタをつけてる髪の短い女の子、静かに黙々と食べている。
あれ、こいついただきます、言った?
言わないとダメだよ!食材に感謝を!感謝を!
と思っても、言える勇気もないので、ジェル先輩に視線を戻そうとすると
「なぁ、君いただきます言った?言わんとあかんよ」
!?
ジェ、ジェル先輩!?
いつの間にか、立ち上がってるジェル先輩が、その子に注意をしていた
「えっ…あ、あの…」
急に話しかけられて、たじろいでる女の子、顔は耳まで真っ赤だ
「食材に感謝せんといかんやん、ほら、いただきますは?」
「えっ、えっと…」
私と思ってること、同じやんけ!
でも、さすがに女の子が可哀想になってきたので
『はいはい、ジェル先輩、そこまでです。注意するのはいいんですけど、女の子真っ赤なので』
「え、ほんまや!ごめんなぁ…俺がイケメンすぎたか…」
『自意識過剰は死んでください』
「罪おもない…?」
『とりあえず、早く行きましょう』
「スルーなん…?あ、あと、挨拶しっかりするんやで!」
私が、歩き出すとジェル先輩も女の子に一言言ったあと、ついてきた。
『ジェル先輩って意外に注意するんですね』
「挨拶って大事なんやで!」
そういえば、さっきの子なんか違和感あったんだよね…なんか見落としているような…
まぁいっか
「じゃあ、ここまでやな、また放課後!」
『はい、お気をつけて』
ジェル先輩と別れたあと、自分の教室に入る
そういえば、ジェル先輩は私の足に気が付かなかったのだろうか…?
いや、そんなこもよりもさとみくんが目に入って、さっきのことを思い出した…いやもしかしたらあれは、ジェル先輩なりのジョークかもしれない…一応本人に聞いてみるだけ聞いてみる
『さとみくん』
「あ、戻ってきたんだね、おかえりー、で、何か用?」
『ただいま、突然だけどさ、さとみくんの親って何してるの?』
そう言うと、さとみくんは少し困ったような顔をして、苦笑いでこう言った
「あー、一応医者を…」
あ、嘘じゃなかった、全然ジェルジョークじゃなかった…
『へー、すごい、両親とも?』
いかにも、初めて聞いたような演技をする、あれ、私演劇部向いてるんじゃね…?
「うん…一応」
それにしても相変わらず、困ったような顔をするさとみくん
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こんこん - 大好き、愛してる、いろんなとこで吹いた、これ読むの二回目で飽きない、、、。 (2022年8月4日 14時) (レス) @page19 id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ - ころんくんのキャラ、、 (2020年8月19日 13時) (レス) id: bbb263e4a6 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - キツネさん» ありがとございます!楽しんで読めるような作品になるよう頑張ります! (2019年7月14日 15時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
キツネ(プロフ) - うへへ← 続編も見ます! (2019年7月14日 7時) (レス) id: 91423e107c (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - クリンさん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつっと | 作成日時:2019年5月8日 16時