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北山side



あれから幾つの日がたったんだろう。


ここはどこだか分からない。


随分前に充電が切れた携帯を持ち、ポケットに握りしめた小銭を頼りに今日も歩く。


交番を見つけたら避けて通るようにはするから、
裏路地ばかりを行き来している。



そんなある日だった。



裏路地に屯してる連中を見つけ、咄嗟に離れようとした。



ただ、見つかってしまったのだ。



やばい、そう思った時には遅かった。


ヤンキー「おい、兄ちゃん?こんな時間に出歩いちゃ行けないよ?」


北「…すみません」



ヤンキー「兄ちゃん良く補導されないね〜。」


ヤンキー「なになに?こんな路地裏に何しに来たの?」


北「なんでもないです、気に触ったならもう出ます」


くるりと振り返って足早に歩き出したが、すぐ捕まった。


ヤンキー「兄ちゃん、ちょっと可愛い顔してるじゃん?」


ヤンキー「付き合ってよ、黙っててやるから」


北「やめてください、」


ぐい、と腕を引っ張られた。


叫びたい、でも、声が出ない…


北「ぁ、やだ、っ、」


小さな声で抵抗するだけ


抵抗したところで、そう考えてしまう自分がいるからだ


ふっ、と体の力を落とそうとした時だった。


腕を掴んでいたヤンキーが、俺の腕を離して吹っ飛んだ。


もう片方の腕を掴んでいたヤンキーも、同じように…


ヤンキー「っぐっ!!」


救世主、いつもそこで浮かぶ相手は、アイツしか居なかった。



ふと、後ろを振り返った。



やっぱ、俺を選んでくれ…た……



北「っ、ぁ、!」



男「久しぶり、宏光くん、



…どうしたの?そんな怖い顔して


しばらく帰ってこないから探したよ?」



体が拒否する、


北「あ、ぁ…」



男「あれ?少しやつれたんじゃない?
大丈夫だよ

俺がいるから」


体を譲る代わりに金をくれた相手。


あの苦しい生活がフラッシュバックする。


全てを忘れ、自分を忘れ、体に身を任せていた生活。


一生会わないと決めていた。


男「帰ろっか、宏光くん。」


どうなるか、予想できる結末に涙も何も出なかった。

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なこ - こんにちは。この小説を読んだものです。藤ヶ谷くんと北山くんに没頭してしまいました。玉森くんと二階堂くんの三角関係がどうなるのか楽しみです!作者の人物構成がとても面白いですね〜!楽しみに待ってます!応援してます。 (2022年3月13日 10時) (レス) @page38 id: 794528905b (このIDを非表示/違反報告)
藤北ラブ(プロフ) - 続きが読みたいです! (2021年8月24日 0時) (レス) id: 2f93b320f2 (このIDを非表示/違反報告)
藤北ラブ(プロフ) - 続きが見たいです! (2019年11月17日 1時) (レス) id: 2f93b320f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉森海叶 | 作成日時:2019年1月5日 18時

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