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「A〜!ハッピーバレンタイン!」
「あーちゃんありがとう!私からもどうぞ」
今日はバレンタインデー。朝登校すると早速あーちゃんから友チョコを貰った
「ありがとう!キヨ達にも友チョコ作ってきたんだよね?一緒に渡そうよ」
「う、うん…」
ちらりとキヨくんたちが楽しそうに話している所を見る。牛沢くんは……まだ来ていないみたい。良かった
「みんな!ハッピーバレンタイン〜!」
「サンキュー!」「ありがとう!」「え!俺にも!?やった!」
キヨくん、フジくん、レトルトくんに友チョコを渡す。レトルトくんは渡した後何故か天に向かって「ありがとうございます…」だなんて手を組んでいたけど…
「はよー」
後ろから聞こえた低い声。牛沢くんの声だ。そう思って直ぐに「私ちょっとトイレ行ってくるね」だなんて言ってその場から離れた
・
昼休み。飯を食べ終わってからニヤニヤとリュックを漁るレトルト
「じゃじゃ〜ん!Aちゃんから貰った!神頼みが叶ったかな」
「へー良かったじゃん」
レトルト、Aから貰ったのか!?俺貰ってないんだが!?!?と心がザワザワする
「え?うっしー貰ってないの?」
「先に貰ったのかと思ってた」
そう言ってリュックから同じ梱包のチョコレートを取り出すキヨとフジ
まてまて、こいつらも貰ってるのか!?
「俺、貰ってない」
「「「え」」」
ぴったりハモっていっせいにこちらを見る3人
期待していた俺が馬鹿だった。随分仲良くなれたしチョコ貰えるかも?だなんて完全に舞い上がっていた
・
「お疲れ様でした」「おつかれっした」
放課後のアルバイト。Aは何故かいつもより口数が少ないし目も合わなかった。俺にチョコ渡してないから気まずいと思ってんのかな……
「じゃあな」
「う、牛沢くん…これ……」
ロッカーにて帰り支度を終えて帰ろうと歩き出した時、後ろから声をかけられた
「あ」
振り返って見るとAの手には綺麗な小さい箱で明らかにみんなに渡していたものとは違う包装にいくらなんでも察してしまう
やべぇ、恥ずかしさと嬉しさで俺絶対顔赤い
「う、受け取って貰えるかな…?」
俺より更に真っ赤な顔で呟くAに「ありがとう」と礼を言って両手でその箱を受け取った
「先帰るね!じゃあまた学校で!!」
「お、おう、!!」
真っ赤な顔のまま走って帰ってしまったAの背中をボーッと見つめる
「青春だなぁ〜」
「て、店長っ!!!」
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作者名:こっぺ | 作成日時:2022年10月4日 14時