【実ｼ兄者】キミに恋していいですか？【uszw】 (ページ13)

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牛沢side

「フジくんおはよう」
「Aちゃん！おはよ〜」

朝から仲良さげに挨拶を交わす2人を少し離れた席から眺める

「ほんと最近仲良くなったよね、あの二人」
「あ？」

俺の隣の席になったレトルトが楽しそうに話す

「俺ももっとAちゃんと仲良くなりたいんだけどなー」
うーん、だなんて唸るレトルトを無視して後ろからキヨが「はよー」とだるそうに言いながらやってくる

「キヨくんも思うでしょ？あの二人仲良いなって」
「最近ほんと距離ちけぇよな。フジ、好きなんじゃね？」

は？フジがAの事好き…？？？
今までのフジとAの距離の近さを考えれば考えるほどモヤモヤしてくる脳内

「俺ちょっとトイレ行ってくる」
「おー」

1人になって頭冷やしてくるか……

・

キヨside

「レトさん、ナイスじゃん」
「でしょ？うっしーの顔みた？絶対モヤモヤしてるって」

ニヤニヤしながら言うレトさん。いい仕事っぷりに俺は親指を立てながら声をかけた

これで少しでもうっしーとAの距離が縮まればいいな…

・

牛沢side

「牛沢くん、A、今日は2人ともあがっていいよ」
「おつかれっした」
「お疲れ様でした」

今日は同じタイミングでバイトが終わった
2人でロッカールームに向かう

「今日はお客さん少なかったね」
「だな」

Aと二人で話している今でもモヤモヤが消えない
もう思い切って聞いた方がいいのか？？

「…くん！牛沢くん！！」
「うおっ、！わりぃボーっとしてた」

エプロンと名札を取り、帰り支度が終わったAが心配そうに俺を見つめる
俺もすぐにエプロンと名札をロッカーにしまい、「帰るか」と声をかけた

・

「そういえばね、文化祭であーちゃんの彼氏がバンドするらしいよ。フジくんも一緒なんだって」
「へー」

Aの口からフジの名前が出て俺の心臓がドキリと跳ねる

「なぁA、好きな人とか居ないの？」
「えっ！！」

珍しく大きな声で驚くA。これはもはやフジの名前が出てもおかしくないぞ……

「店長とかさ……フジとかさ。どう？」

何言ってんだ俺！！！！誘導してどうすんだよ！！！

「店長…ってけんくん？けんくんは無いよ！だって親戚だし！！」
「親戚！？」

なんだよ。店長とは親戚だったのか。ならあの距離の近さも納得できるわ……

残るはフジをどう思っているか

Aをじっと見つめて返答を待つ時間はなんだか長く感じた