君色パレット (ページ15)

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私は中学生の時、輝馬が好きだった。

同じ部活のバスケ部に入っていて

結構仲のいい方だった。

頭も良くて私のことをいじってくるのに

でも、急に優しくなったり

周りのことをちゃんと見ていたり

気遣いができる所が好きだった。

その芽生えた恋心は1年生から3年生の

卒業式まで続いていた。

初めてだったんだ。

こんなにも人を好きになったことが。

私の初恋の相手。

とはいえ今、輝馬に恋愛感情を

抱くというわけではない。

あんまり良い別れ方じゃなかったから

ちょっと私の中では複雑なの。

別れ方って付き合ってたわけじゃないんだけど。

私は中学の卒業式が終わったら

東京に引っ越すことが決まっていた。

兄が大学で東京へ出ていたから

家族で引っ越すことなった。

だから、想いを伝えても意味が無いと思ったんだ。

私は胸の中にこの気持ちをそっと

しまっておこうと思っていた。

でも、私がもう家に帰ろうとしていた時に

輝馬に呼び止められた。

輝「俺ずっと石原が好きだった

付き合って欲しい」

そう私の目を見て言ってくれた。

気持ちがとても嬉しかった。

でも、付き合うことは出来ない。

遠距離なんて無理だってあの時の私は

思っていたから。

「ありがとう、でもごめんなさい

私、春休み中に引っ越すの」

そう言い残して私は輝馬から

逃げた。

それから会っていなかったから

妙に意識しちゃう。

そして私がソワソワしているもうひとつの

理由。

それは

【三森紫優ちゃん】