↓part2 ページ8
私が話す前に、西の国の王子、天を呼ぶ声が聞こえる
「タイミングわる……大変残念ですが、失礼します」
私に丁寧にお辞儀をすると、天は去っていった
なんとか喧嘩にはならずに済んだようだ
ほっと胸を下ろした私の手を東の国の王子、陸がとった
「今日は星が綺麗だそうですよ。見に行きませんか？」
異論はなかった私は、彼にエスコートされるまま外が見えるところまでついていった
屋敷内の明かりとは反対に、散りばめられた星と真っ暗な空が広がっている
「うわぁ、本当に綺麗ね…」
「お嬢さん、目を閉じて頂けますか？」
感動していた私に陸はそんなことを言った
「目を閉じたら、星が見えなくなるわ」
「大丈夫、少しの間だけです」
いきなり目を閉じろなんて変な人ね
そう思いながらも言われるがまま目を閉じた
「もういいですよ」
目を開けると、陸は跪いて一本のバラを私に向けていた
「えっ？」
驚いている私を見て、陸はにこりと笑う
「俺からの気持ちです。どうか受け取ってください」
「ありがとう、うれしいわ」
彼の手からそっとバラをとった
「あともうひとつ、お見せしたいものがあるんですが……」
そう言いながら、陸は空を見上げた
つられたように、私も空へと視線を移した
その時一瞬だけキラっと星が流れた
「これです！見ましたか！？流れ星！」
「ええ、綺麗だったわね！」
私達は子供のようにはしゃいだ
「これをお見せしたかったんです」
「そうだったのね。ありがとう、お陰で素敵なものを見れたわ」
その後しばらくは、流れ星がまた流れるのを期待して二人は空を眺めていた
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それから天と陸は張り合うように、二人とも私の屋敷へと足を運んだ
今日も二人は私の元へやってきた
「君、なんでいつもいるの？僕、お嬢さんと二人で話したいんだけど」
「な、俺だってお嬢さんと二人で話したいよ！誰のせいでできないと思って」
「まあまあ、二人とも」
バチバチと火花を散らしている二人の間に入った
「もうこの際、はっきりしてもらう方がいいかもね」
陸は同調して首を縦に振る
私の方へと向き直して天は言った
「貴女を命にかえても守り抜いてみせます。僕のこの身は貴女だけに捧げると約束しましょう」
続けて陸も口を開いた
「俺のそばではありのままの笑顔でいられるはずです。共に歩んでいきましょう、笑顔絶やさず」
「「選んで？」」
参考楽曲:ロメオ
set 4 月明かりイルミネイト【二階堂大和】→←↓part1
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作者名：ひな x他1人 | 作成日時：2018年5月1日 0時
