↓part2 ページ5
「泣かないで、A」
私の涙をぬぐりながらいった
今は、彼に、陸に触れたいと思った
徐にベットに座り、彼を抱きしめた
「わっ、A?」
『ごめんね。辛いのは、私だけじゃないのに。陸が一番辛いのに…』
私を慰めてくれる彼も、私以上に悲しい思いをしているはず
こんなこと言ってちゃダメだよね
すると、ぎゅーっと強く抱きしめられた
あったかいな、陸の体温が心地いい
陸が生きている実感がそこにある
一度2人の体が離れると、触れるくらいのキスをした
陸の頬がほんのり赤く見えた
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3ヶ月後
私は一人あの海に来ていた
夏が終わり、結構肌寒くなっていた
靴を脱いで、砂浜をかけはしった
ぱっぱっぱっと前と変わらず、砂は鳴った
この音は変わらないのに、私たちは変わり果てている
私は笑顔ではないし、隣には陸がいない
ここ数日、こんな現実見たくなかったけど、一生懸命頑張ろうって思った
だけどやっぱり上手くいかない
どんなに頑張ってもあの頃のように振る舞える自信がない
彼がいない世界は空っぽで、価値なんてこれっぽっちもない
この先生きていてもしょうがない
私の人生はなんだったんだろう
淵に行き、暗い海を見下ろして、一人溜息をつく
陸…会いたいよ
その腕で前みたいに抱きしめてよ
私も強く抱きしめ返すから
だから…
足に力を入れて、思い切り海へと飛び込んだ
死ぬのなんて怖くない
だって、そしたら陸にまた会えるから
そのためだったらなんだってする
ねえ、私たち生まれ変わってやり直せるかな?
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もう一度だけ、私の初めてを奪ってよ
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作者名:ひな x他1人 | 作成日時:2018年5月1日 0時