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先生の声で響く教室
シャーペンで紙をこする音が多数
はぁ…つまらない
死ぬほどつまんない、学校なんて
はやく、壮五さんに会いたい
最近、会えてないし
そもそも私と壮五さんは、お互いライバル会社で、付き合うこと自体許されない
双方の両親にバレたら、きっと一生会えなくなるかもしれない
だから、隠れてこそこそと会っている
なんだか私と壮五さんってロミオとジュリエットみたい
私は悲劇のジュリエット、そんな気分だわ
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『はぁっ、はぁっ』
はやく、はやく
息が切れているのにもかかわらず、足を走らせる
本当は今頃塾にいるはずだった
壮五さんに会いたくてたまらなくて、サボることに決めた
制服のまま、街の中を駆けていく
パパとママのところに行ったら、きっと貴方には会えない
会っても、その時間がいつまでも続くとは限らない
そんなの嫌だ
時間が止まってしまえば、貴方とずっと一緒にいられるのに
この環境から逃げ出したしたくてしょうがない
自分のこと、ジュリエットのようだと思ったけれど、そんなのダメ
ジュリエットみたいな最期になりたくない
最後は結ばれなくちゃ、楽しくないわ
私は急いでトイレにはいり、メイクルームへと入った
カバンの中から、化粧道具を取り出す
私は17歳で、壮五さんは20歳
高校生と大学生の違いもあるのか、壮五さんは周りの人より大人っぽく見える
少しでも大人っぽく見られたくて、背伸びをしてマスカラを手に取った
鏡に映る私は、いつもと違う私になっていた
いい子でいることを守っている人は今日はいない
大丈夫、明日からはいい子の私に戻るから
だから、今日だけは許して
痛いのは嫌だけど痛いくらいに好きになっていたのは私だった
会えなくなるだけでこんなにも胸が痛い
本音は、お父様とお母様に壮五を紹介して、認めてもらいたい
でも、お父様は壮五さんのことをよく思っていないから絶対無理だろうけど
お父様もお母様も私のためと口癖のように言うけれど、本当にそうなの?
本当は私を縛り付けて思い通りに操りたいんじゃないの?
最近は両親に対して不信感を抱くようになった
こんなことなら、どこか遠くへ連れ出してほしい
お父様とお母様に気づかれてもいい
叱られてもいいから、私を連れ出して
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作者名:ひな x他1人 | 作成日時:2018年5月1日 0時