野良猫とひよこ

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ひょこ…ひょこ


「ひよこちゃん可愛い」

「怪我してるのに不謹慎だけど、なんか愛らしいよね」

「構いたくなる」

「荷物持つよ」


『あ、ありがと』


「階段大丈夫？」


『ゆっくり歩くから平気』



ゆっくり歩いていればクラスのみんなが私に構ってくる



私としては
そんなの要らないけど




怪我してふらふらと出歩かなくなったからか

のんちゃんはすごい機嫌がいいし



なんなら移動は大体側にいる


『もう、大丈夫やってば』


望「心配やの…ええから俺に掴まっとけ」



『…』



逆に私が不機嫌になってしまう



早く怪我治らんかな



流「…あれ？ひよこちゃん怪我してへん？」


『…あ、藤井先輩』


望「だれ？」


『藤井先輩』


望「藤井？」

流「どーも、藤井流星ですー…よろしゅう」



なんかのんちゃんは藤井先輩を見るなり

眉間にしわを寄せる



流「で、なんで怪我したん？」


『…階段で…』

流「ドジっ子やったやんやな」



『…ぅ、…何も言い返せない』



流「早よ治るといいな？」



『早く治しますよ』



流「ともが待ってると思うから…ほな、お大事に〜」





ひらひらと手を振って去っていく


あの人はすごくマイペースな人やな




なんとなくそう思いながら歩き出せば



望「なぁ、A…なんで先輩となんか知り合ってるん？」



『…成り行きで？』



望「…俺の知らんAがおるの…ムカつくわ」


勝手にムカつかんといて




のんちゃんは変な嫉妬心があるから困るわ

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