伏黒甚爾は恩人でした

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『甚爾さんの家族はどんな人？』






この前見たテレビに家族特集があって私はろくでもない所で生まれたから身近な人に聞いてみたくなった







「クズだな」






『なんで？』






「御三家の話は知ってるだろ？俺はそこの禪院家の人間だ



術式大好きなあの家はお前と同じろくでもないところだ」






『じゃあ味方は誰もいなかったの？』





少し考えた彼だったが誰かを思い出したのかふっと微笑む





「そういえばいたな。お前の1つ下で俺の周りをうろちょろするガキがいた」






『帰らなくていいの？』






「俺は二度とあの家には帰んねぇよ。そこんとこはお前の同じだな」






甚爾さんはあまりいい顔をしていなかったので家族は好きじゃないのかもしれない。でももし甚爾さんが心を休める場所ができたなら私はそっちに行って欲しいと思う






『ねぇ甚爾さん』






「あ？」






『大切にしたい人がいるならその人の方に行ってあげて




きっと甚爾さんが必要なんだと思う。それは甚爾さんも一緒で、その人の傍にいてあげて




私はもうじゅうぶんエネルギーを貰ったから。たまに帰ってきてくれるならそれでいい』






最近の彼は幸せそうだ。きっと好きな人や大切にしたい人が出来たに違いない





それがどんな人かは分からないけど次はその方が甚爾さんのエネルギーを貰う番





私じゃダメなことくらい分かってる








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