水を向ける (ページ7)

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幸せ者ページ7

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「 ……私のこと忘れてますよね、お二人さん」

『「あ」』

私も卓さんも

すっかり忘れていた

「まぁ仲が深まりそうで良かったです」

「私は他の階の方のお仕事に行ってきますので後はAさんに任せます」

ひつじはそう言い、律儀にお礼をし部屋を出ていった

「じゃあ改めてよろしく」

『はい、よろしくおねがいします』

『あの私は何をすれば… 』

「んー、ご飯作ってほしい」

あ、ちゃんと笑った

その笑顔にやられそう

またニヤニヤしてしまった

いけないいけない

ここに来てから私の平常心はどこに行ったのやら…

『簡単なもの作りますね』

『卓さん嫌いなものとかあります？』

「多分、 Aちゃんが作ったものならなんでも食べれると思う」

ほらまた卓さんは私のことなんか知らずに

そんな事言うから…

『りょうかいしました… 』

照れたのを隠すので必死だった

あと何回目これをすればいいの～…

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卓さんは私の作った料理をばりうま！なんて言いながら頬張っている

そんな彼を見ているのが幸せだった

こんなにも美味しそうに食べる人を初めて見たから

幸せ者だなと実感した

もっと笑っているところ、いろんな表情見てみたい

なんて思った

気づけばごちそうさまときちんと手を合わせていた

＿＿＿

「久しぶりに手料理たべたな」

「ものすごい美味しかったお袋の味を感じた」

また笑った

『はいっ！嬉しいです』

すると突然、チャイムが鳴った

「多分、お迎えが来たよ」

よっこいせ、と松葉杖を取ろうとしていたが

『大丈夫です、私が行きます』

長い廊下を渡り、はーいと扉を開けると

そこには

「えぇ？！卓さんの彼女？！」

と驚いた顔をした男の人がいた

見たことある

そしてまぁ、またこの方も整った顔でいらっしゃる……

奥の部屋から

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「 …〝遥輝〟なんで来たと」