四十二話 ページ43
重体の武田くんを連れて訪れた保健室
艶ちゃん(艶本先生)は武田くんの様子を見て大きく「oh my God!」と声を上げた
『艶ちゃん…武田くん、大丈夫?』
「命に別状はないけど…暫くは学校に来れないかもネ、」
「そんな、武田…」
思い詰めた表情をする上杉くんと私の頭を安心させるように撫でる艶ちゃんの手に思わず泣き出しそうになる
「この彼は私が見ておくから、貴方達は帰りなさい」
「分かりました、行こうAちゃん」
徳川くんの時とは違い、優しく握られる手に大人しく着いていく。保健室から出て暫く無言が続き、少し気不味い空気だ。
「…Aちゃん、ありがとう」
『あ、ぇな、なに?』
「さっき、家康に言い返してただろう?」
『…別にお礼を言われるほどじゃ』
あれは罪悪感なんて1ミリも感じていない彼が理解できずに口走ってしまった言葉だ。お礼を言われるもんじゃない
少し俯いて言葉を濁すと上杉くんは続けた
「あの状況、誰もが家康に恐怖していた時に…臆する事なく動き出したのはAちゃんだけだ」
『…』
「僕も、武田がやられているのを見ている事しかできなかった。一歩も…動き出せなかったんだ」
悔しそうに顔を顰める上杉くんに少し驚いてしまう。ライバルだと聞いていたが2人には強い繋がりが見えた
『私だって…武田くんがあんなになってる現場を見たら動き出せなかったと思うよ』
あんなにボロボロにされた武田くんを目の前で目撃して、庇うように徳川くんの前に出れる人なんてそう居ないだろう。喧嘩大好きなあの男達も固まっていたぐらいだ。
『でも上杉くんはちゃんと一歩踏み出せてるよ』
「…どこが、」
『武田くんを一緒に保健室に連れて行ってくれた。』
「そんな事…」
『上杉くんにとってはそんな事でも、私1人だったら絶対運べなかったし…あの中で1番に助けてくれたのは君だよ』
辛そうな顔して否定的な言葉を使う上杉くんを安心させるように目を見て伝えると彼は少し、本当に少しだけ泣きそうな顔をした
あんまり泣き顔なんて見られたくないだろうと背を向けて上杉くんより少し先に歩みを進めた
『小さくても一歩は一歩、あ…井伊くんとかまだ動けてなかったりして』
「…っはは、それは実に見ものだ」
私の冗談に対していつもの声色で笑った上杉くんにホッと息を吐き。オレンジに染められた廊下を進んで行った
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間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (
レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの｢どうしようもなく君が好き｣シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：間取り | 作成日時：2022年8月7日 1時
