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母「A、お母さんには話しづらい?」
こんな悲しそうなお母さんを見たのは初めてだった。
A「心配かけたくなかった・・・」
母「なんであんな事されたか、身に覚えがあるの?」
A「・・・うん」
母「そっか・・・」
そんな時、リビングから玄関にちょっと顔を出したおばさんが
有岡母「おばさんでよければ、聞くよ」
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そんな事を言ったので、悲しかった気持ちが急に怒りに変わって、つい
A「おばさんには絶対言いません!
自分の息子の事だって、ちゃんと見れてないじゃないですか!」
大きな声で反発してしまった。
有岡のおばさんは、ビックリして
有岡母「ご、ごめんね。
余計な事、言ったわ」
A「もう帰ってください!
二度と来ないでください!」
こらえてた涙があふれ、いつも思ってた事が口から勝手に出た。
そして、自分の部屋に入った。
ベッドの布団をかぶり、声を出して泣いた。
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痛い・・・・痛いよ。
口元の傷も、心も、頭も、全部痛いよ。
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玄関の扉が閉まる音がした。
おばさん、帰ったんだ。
部屋のドアをノックし、お母さんが入ってきた。
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母「A、お腹空いてない?
朝からほとんど何も食べてないじゃない。
果物なら入る?」
ゆっくり、かぶってた布団を降ろし「うん」とひと言だけ発した。
母「大ちゃんと、なんかあった?」
お母さんってすごいって思って。
だから、「何もない」って答えた。
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ダイニングテーブルで、夕飯の果物を食べてた。
相変わらずお父さんの帰りは遅い。
お母さんと二人、いつもより静かな食卓。
きっとお母さんは聞きたい事いっぱいあると思うけど、何も聞かないで寄り添うだけ。
洗い物をしながら聞かれた。
母「明日は行けそう?」
A「うん・・・」
お母さんの顔に、フッと笑顔が出た。
よかった・・・
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っとその時だった。
こんな時間にうちのチャイムが鳴った。
インターフォンには有岡のおばさんが映り、「夜分遅くすみません」なんて、いつも言わないような事を言っている。
お母さんが玄関に出て、声だけリビングで聞いていた。
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小さく「いてっ」って聞こえた声は有岡の声で、「こんばんは」というのは有岡のおじさんの声だった。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時