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Daiki



伊野尾「おぉ、絶対聞き出せよ!」




葵「泣かないって約束してよ!」





八乙女「マジで?泣いちゃうの?」





伊野尾「大丈夫、有岡には俺がついてるって。

  行くぞ!」





八乙女と葵ちゃんは四組だから、すぐ教室に入ってしまった。


俺は伊野尾と一緒に一番端っこの教室に戻った。






こんな事が起こるんだって事は、頭の隅っこの、もっと隅っこでは思ってたけど。

こんなタイミングで、こんな風に突然やってくるんだと思って。






動揺が隠せない。





午後の授業は、いつもにも増して上の空で。

どうしようも出来ないけど、どうしたらいんだろうって考えてた。










放課後になり、部活に移動しようと思ったら、葵ちゃんが慌てて教室に入ってきた。


俺の席の隣りに立って、息を整えている。





葵「はーっ・・・はーっ・・・ねえ慧ちゃんも!」






伊野尾「おぉ、どうだった」






葵「あのね、やっぱり告白されたみたい」






伊野尾「やっぱ、そうか・・・」






俺は言葉が出なかった。





葵「で、Aちゃん、突然のことでビックリしちゃって、先輩の事よく分からないし、困ってたら、また来るから返事聞かせてって。

  携帯持ってないって言ったんだけど、メアドと番号渡されたみたいよ」






あの、メモみたいなのか。





伊野尾「で、Aは喜んでた?」






葵「んー、どうだろう。

  『葵ちゃん、どうしよ』って」







伊野尾「葵に聞いたって分かんねえよな。

  そんな経験ないし」







葵「ひどい!

  幼稚園の時、告白された事あるもん!

  慧ちゃん、ヤキモチやいてたじゃん!」






伊野尾「待て、そんな昔の事言うの、やめろ!」






有岡「で、あいつ好きなやつとかいんの?」






伊野尾「おぉ、ビックリした」






有岡「幼馴染同士でいちゃついてないでさ」






葵「いちゃついてないから!」






伊野尾「葵、やめとけ。

  こいつ、今すげーイライラしてっから」






葵「あ、ごめん・・・」






有岡「部活行く・・・」





葵「やだ、私も行かなくちゃ!」











結局、Aに好きなやつがいるのかどうか、聞けなかった。




引き続き部活中もモヤモヤしてて、集中出来ず。

先輩に、何度か注意されてしまった。







我慢出来ず、キノコ公園でAを待った。

ラケットを持ったやつらは、まだ学校から出てなかったから。



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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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