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36 Daiki 発表会 ページ36

Daiki




やっぱりAとは同じクラスにはなれなかった。

俺が一組で、Aが五組。

端っこと端っこで、あまり顔を合わす事もなかった。




俺はそのままサッカー部に入部して、Aはソフトテニス部に入った。

テニスコートは、校舎の後ろの方にあって、部活中ものぞけない。





18時に部活が終わり、昇降口で着替えをしてると、ソフテニの集団が現れたりする。


ラケットを持ってるからそう思うだけで、みんな同じジャージを着てるから、Aを見つける事は出来ない。


帰り道も、それらしき集団もあるけど、やっぱり分からなかった。


で、最終的にキノコ公園までくると、もう人数も絞れてきてるし、Aの事が分かった。






A「あ、有岡」





Aから話しかけてくれると、嬉しい。





有岡「どう?テニス、少し出来るようになった?」





A「えー、まだまだ全然だよー。

  でも楽しい!」







こんな笑顔、久しぶりに見たかも。

すごく充実してます!って顔してる。






有岡「今度の日曜、発表会だよな」





A「あ、最近遅い時間に練習してるからうるさいよね、ごめんね」





有岡「大丈夫だって。

  あと少しだし、頑張れよ」






A「うん!ありがと」





















発表会当日。


午前の部活を終わらせて、着替えて大急ぎで会場に向かった。


Aも、出来るようになってきたから、出番は最後の方。


母ちゃん達を見つけ、隣りに座り、腕を組んで体勢を整えたら、睡魔に襲われて。

母ちゃんのヒジで起こされた。





名前と曲名が告げられた。




長めの丈のシルバーのドレス。

深々とお辞儀をしている。





有岡「あっ・・・」






アップにされたその髪には、小5の時にあげた、白い薔薇のコサージュが飾られてた。



まだ大切にしててくれたんだって思ったら、嬉しかった。










いつも練習してる通り・・・・











無事に終わった。






母ちゃんにせかされ、ロビーでAが出てくるのを待った。





母「あ、来た来た」






目を真っ赤にして、戻って来た。



お母ちゃんにまた、肘でつつかれて、花束を渡した






A「ありがと」




有岡「たまには、弾いてくれよな」




A「うん」





泣くのをこらえて返事をしてた。




毎日、Aの存在を感じる音がなくなる寂しさを、この後感じる事になるんだ。






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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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