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Daiki





有岡「なあ、俺のにも書いてよ」




ヒックヒックとしゃくりあげてるAに、話しかけた。




A「・・・うん」




ハンカチをポケットにしまい、その華奢な指でペンを持った。

俺に見えないよに、書き始めた。




A「はい」





なんて書いてくれたのかと楽しみにしてたのに、そこに書かれたメッセージは










「元気でね。A」





えっ・・・





有岡「これだけ?」




A「うん」




有岡「あ、そっ」





変な事書いて、いじめられたら嫌だから?

もう別れたって言いたいけど、大きな声を出しそうで、今は言えない感じ。




最後の最後まで、そんな気持ちでいさせて、ホントごめん。























キノコ公園で、別れたことを話せた。


絶対怒られると思ったけど、でも、もしかして俺の事好きなんじゃねえの?って思う事があって。


もしそうだとしても、そう簡単に「そうだよ」なんて言うヤツじゃない。


少し時間をおいてから、また告白してみようか。
















夕飯は回転ずしに行く事になった。


卒業式の時の服を着替えて、普段着になった。


久しぶりに一緒に出掛ける事になって、すげー嬉しい。






うちの車の後部座席に座った。


初めて見る、ミントグリーンのポシェットをかけている。

鈴の音がするのは、修学旅行のお土産だ。

そういうのをつけちゃうとこも、可愛らしい。





A「何?なんか、変?」





有岡「え?!いや、可愛いなって」





A「ふーん」





全然信じてねえな。





A「ねえお腹空いたね」





有岡「うん、腹減った」





ニコニコッて嬉しそう。


こんな笑顔、久しぶりに見た。

いつも、目が合うと反らされてたから。


やっぱり、彩ちゃんと付き合うんじゃなかったかなって今更後悔してた。





回転ずしもだいぶ待たされた。



俺のゲームボーイを横からのぞいて、大きな声を出している。

車の中で待ってるからいいんだけど、俺の左半身に感じるAに、ドキドキしてた。




多分、無意識にくっついてるっぽくて。

言ったら辞めちゃうと思うから、言わないけど。




この距離感も久しぶりで。

彩ちゃんとくっついても、映画館の隣りの席くらいだったし。

幼馴染の距離感なのか、好きだからの距離感なのか分からないけど。


俺は好きだから、どっちでもいっか。












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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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