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有岡はパンダの遊具にまたがり、私はライオンの遊具にまたがっていた。

もちろん、余裕で地面に足が着くのに、無理して足乗せ台に足を乗せている有岡。

私は、足が出ちゃうし、その格好は出来ない。




めちゃくちゃ大切な話をしてるのに、どう見てもふざけてるようにしか見えない。

それも、前後に揺れだした。




有岡「なんでって、最初からそういう約束だった」






A「え、どういう事?

  今日って、卒業式ってこと?」







有岡「うん・・・」







A「同じ中学じゃん、そのまま付き合ってても良かったんじゃないの?」





有岡「いや・・・・あのさ、なんていうか・・・」





A「何よ!」





なんか、有岡の事が分からなくなってイライラしてきた。





有岡「怒んなって」





A「期限付きとか、ありえないって」





有岡「だからさー、付き合って欲しいって言われたけど、好きな人いるから無理って言ったんだって。

  で、その好きな人は大ちゃんの事好きなのかって聞かれてさ。


  好きじゃないみたいって言ったら、その子が振り向いてくれるまででいいからって」





A「うん・・」





有岡「で、途中で、俺の好きなやつは、好きな人がいるって言いだして。

  俺、一生振り向いてもらえなかったら、ずっと彩ちゃんと付き合わないといけないかと思って、条件だした。

  卒業式までねって」






A「一番大切な事が抜けてる。

  彩ちゃんの事、好きだったの?」





有岡「嫌いじゃないけど・・・

  俺さ、Aの事イジメてたのが許せなくて。

  本気で好きって気持ちにはなれなかった」






A「それなのに、よく付き合ってたよね。

  なんか、信じられない」






有岡「なんかさ、付き合ってたらさ、Aがいじめられないかなって思って。

  俺なりに、Aを守ってたつもりなんだけどな」





A「有岡らしくない・・・」





有岡「何がだよ」





A「好きだから、お互い好きだから付き合うんじゃなかったの?」





有岡「そうだけどさー

  『付き合う』って事に憧れてたし、もしかしたら彩ちゃんの事好きになるかなって思って」






A「どうして?」





有岡「何が」





A「有岡が彩ちゃんの事好きだから付き合ってると思ってたんだから」





有岡「あぁ・・・」







 

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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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