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3 怪我 ページ3






やっぱり一番に追いかけてきたのは葵ちゃんだった。










ホントは期待してた。









めちゃくちゃかけっこが早いから、私に追いつくんじゃないかって期待してた。










私の事なんて追いかけて来ないで、またあの人たちと一緒に帰ってくるんだろうか。

















葵「Aちゃん・・・ちょっと・・・」



息を切らして私の腕をつかんでいる。





A「大丈夫だから」






葵「ねえ、おばさんに病院に連れてってもらってよ」






A「分かってるって。

  ねえ、有岡に殴られたってのは言わないでね」






葵「えっ!?

  ちょっと、私が言う!」






A「だから、大丈夫だって。

  自分で言えるから」






いつも柔らかい葵ちゃんが怖い顔して玄関のドアを開け、

「こんにちはー!」って大きな声で言った。






母「はーい!



  あら葵ちゃんと一緒だったの?

  お帰りなさい」






そしたら奥から会いたくない人も出てきた。






有岡母「おかえりなさい。

  もうそんな時間か・・」






葵「おばさん!

  Aちゃん、ケガしちゃって。

  病院に連れてって欲しいんですけど!」






母「え、どこ・・・」






口元をおさえてたハンカチをどかして、ケガを見られた。






母「どうしたの、転んだの?

  これ、縫うかもしれないわね」






葵「急いであげて欲しいんです!」






その時、うちのチャイムが鳴った。





もしかして、有岡、来てくれたんだ・・・






母「はーい、どうぞ」











ガチャッとドアが開くと、伊野尾くんと八乙女くんだった。









だよね・・・・





あっ、口止めしてない・・・










伊野尾「すみません。Aさんと同じクラスの伊野尾と八乙女です。

  今回は、俺をかばってケガしちゃって・・・」






葵「あーー、今ね、病院行くとこだから」





母「じゃあ、有岡さんに乗せてってもらう?」





有岡母「うん、そうしよ」






そう、そこでみんな、もう一人のおばさんが、有岡のお母さんだって知って。

ギョッとした顔になった。






A「タクシーで行く!」





伊野尾「お、俺、タクシー拾ってくる!」






葵「おばさん、急いで!」





お母さんとおばさんは目を合わせ、不思議な顔をしてて。


それでも私がタクシーがいいって言ったから、仕方なくタクシーにしてくれた。

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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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