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A「そっか・・・」





葵「だから今日、あんな風にふざけちゃってさ。

  慧ちゃんが一番嬉しそうだった」






A「葵ちゃんと伊野尾くんは、仲良しでいいよね」





葵「・・・まあね」










葵ちゃんが「まあね」と言ったタイミングが、ワンテンポ遅かった。

それがすごく引っかかって。

もしかしたら、私と一緒で、幼馴染の事好きだったりするのかなって。




「慧ちゃんが嬉しそうだった」と言った時も、複雑な笑顔をしてて。

伊野尾くんが私を心配してる事に対して、嫉妬してるようなそんな顔。

私も嫉妬するから、なんか分かるんだよね。







それでも「好き」なんて今更告白も出来ないし、ただふざけ合ってる関係が心地よかったりするのかなって。


















その日以降も、伊野尾くんは有岡と喋ったり。


有岡が、私に話しかけてきたり。


「宿題見せてー」とか「俺のトマトやるよ」とか、普通のクラスメイトみたいなやつ。


「ねえ、彩ちゃん」って仲良く話してるのは、やっぱり聞きたくないけど、嫌な思いをするよりは我慢出来るかな。
























A「え、やだよ。

  彼女いるんだよ?

  もう、義理チョコとかいらないでしょ?」







そろそろバレンタインという頃、お母さんが有岡の好きなチューリップサブレを買ってきた。





母「今までだって、義理チョコだったんだから、一緒よ」





A「そうなんだけど、今までは彼女いなかったから」






母「大ちゃんの好きなやつだし、普通におやつとして食べるでしょ。

  あっ、伊野尾くんと八乙女くんの分も買ってきたけど」






A「勝手に、なんなの」



















そんな話をした数日後、教室で伊野尾くんに言われた。





伊野尾「なあ、葵もAも、義理チョコくれるよな」





八乙女「それって自分で言うか?!」





葵「まあ、毎年恒例のやつだからね。

  八乙女くんも一緒にあげるつもりだよ」






A「まあ、義理だからね。

  色々お世話になったし」






そこへ有岡が現れた。





有岡「何?バレンタインの話?」





伊野尾「そう、俺らにちょうだいって」






有岡「Aがくれるやつ、すげー好き」






八乙女「え、手作りなの?」





有岡「それはもらった人だけが分かるやつ!」






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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時

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