11 クリスマス会 ページ11
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あの時から、クラスの中心が伊野尾くんになった気がする。
伊野尾くんたちが「うるせえやつ」って言ってた有岡達は、実はクラス中にそう思われてたっぽくて。
あの帰りの会から、伊野尾くんは一目置かれるようになってた。
お友達の輪も広がって、私をいじめようとする人もいなくなって、楽しく過ごしてた。
でもそのせいで、有岡達はもっと孤立して、結局、あの女子たちと一緒に元通りになってた。
そして、有岡と学校で目が合わなくなり、ベランダで話す事もなくなってた。
トラウマってやつなのか、学校で関わる事が怖かったし、
外が寒くなってきて、ベランダに出る事もなくなったから。
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有岡母「なんかね、クリスマス会をカラオケボックスでやるらしいのよ。
子供だけで大丈夫かしらね。
Aちゃんは、行くの?」
A「行かないです。
グループ違うし、有岡と喋らないし、よく分かんない」
有岡母「あ、そうなのね」
A「ねえお母さん、友達とうちでクリスマス会していい?」
母「うちで?・・いいけど」
A「ねえ、お母さんのケーキ美味しいから、焼いて欲しいの。
いつも二人で全部食べ切れないし、いいでしょ?」
母「うん、いいわよ」
有岡母「えー、そっちの方がいいわね。
うちの大貴は大丈夫かしら」
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有岡達がクリスマス会をカラオケボックスで計画してるのは知ってた。
教室で、必要以上に大きな声で話してたから。
それを、冷たい目でみんなが見てるのも知らないで。
有岡達の計画してた日の前日に、うちでクリスマス会をする事にした。
午前中で学校が終わり、葵ちゃんと伊野尾くんと八乙女くんと四人で、ファストフードでハンバーガーを買ってうちに来た。
なんとも偶然、うちに入るタイミングで、有岡が家から出てきた。
それに気がついてるのは私だけで、門の陰に隠れて、私たちに見つからないようにしてた。
「お邪魔しまーす」
母「はい、いらっしゃい」
伊野尾「おっ、すげー」
八乙女「うまそっ」
葵「わー」
少しだけお料理を作ってあって、クリスマスツリーにライトが灯ってた。
母「飲み物はここで、ケーキは冷蔵庫に入れてあるからね」
A「うん」
母「じゃあ、お母さん出掛けてくるから」
A「わかった」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時