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A「大貴、起きて。
何か口に入れたいから、早くご飯食べたいんだよね」
有岡「う、うん・・・」
実際は、ご飯を受け付けるか不安だけど。
昨日試しに買った、カロリーオフの蒟蒻ゼリーとかも食べたいし。
食べたいって気持ちがあるんだから、軽症なのかな・・・
大貴の体をゆするのをやめて、ダイニングテーブルについた。
そして、食べたいと思うものから、口に運んでみた。
蒟蒻ゼリー
みかん
アイス
うん、いい感じ・・・
アイスの最後の一口を食べてる時に、ノソッと現れた。
A「おは・・・」
有岡「朝から、アイス?
こんな寒いのに?
すっかり、解禁しちゃったんだな」
そう言い捨てて、洗面所の方に消えていった。
A「・・・おはよ」
朝の挨拶・・・・ないの?
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寂しい・・・
そんな言い方・・・
別に、大貴の前で、ずっと我慢してたわけじゃないし。
思い出したくないから、避けてたんだけど。
涼介が、あの時言ったことが、頭に残ってたんだね。
ずっと大好きだったアイス・・・今、食べたいって思えたから・・・だから・・・
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ムカムカしてきた。
悲しいムカムカ・・・
これはつわりのせいじゃない。
だから、涙がポトポトと溢れてきた。
目の前に、ゼリーとみかんとアイスのゴミが散らかって、好きな物しか食べない子供のように思えてきた。
ゴミをかき集め、キッチンに運んでゴミ箱に捨てた。
背後から急に話しかけられた。
有岡「もう食い終わったの?」
A「うん、ごちそうさま・・・
お味噌汁、入れるね、インスタントだけど」
有岡「あぁ、自分でやるよ」
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大貴の顔が見れない。
好きな物しか食べないで、親に怒られた気分だし。
なんか、ショックで・・・
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軽井沢で買ってきたお椀を持ち、台に置こうとした瞬間、大貴の手が触れた。
いつもだったら、ちょっと嬉しいとか思っちゃうのに、今日はパッと手を離してしまった。
そして、キッチンから出て、タイミングよく出来上がった洗濯物を干すことにした。
有岡「なあ、ご飯、食べたの?」
首を横にブンブン振った。
有岡「気持ち悪いの?」
頭をかしげた。
私の気持ちより、大貴自身のヤキモチの方が優先なんだよね・・・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年1月21日 21時