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Daiki





大貴「また逃げられちゃうといけねーし。

あと、さっきも言ったんだけど、医者だから、その大変さは分かってるつもりで・・・」




A「何?はっきり言ってよ」





大貴「いや、医学的によ。

初めてじゃないし、大丈夫だと思うけど、二人目・・・早めに作りたいかと・・・」





海の方に向いてた体が、くるっと半分こちらに向き、俺を見上げた。





A「ダイキ・・・兄弟は無理かと思ってたから・・・」






海の水面に映る月の光よりキラキラと


目から溢れ出しそうな純粋な涙・・・






大貴「もう、悲しい涙は流させないから・・・」




Aの体を、再びこちらに向かせて、肩に手を乗せキスをする。





この感覚・・・、この心臓が高鳴るキスは、やっぱりAとじゃないとダメなんだって、改めて思った。



この2年9ヵ月の間、色んな人とキスをしてきたけど、「好き」とか「愛してる」って気持ちが溢れるのはやっぱりこの唇だけ・・・




他の女と比べちゃって怒られそうだけど、Aが一番だから、だからいいよね・・・















大貴「そろそろ帰るか。遅くなっちゃったな」



スマホの時間はそろそろ21時になりそうだった。




A「うん、ダイキ、お風呂入れてもらったかな」




大貴「雄也さんちに、迎えに行く?」





A「そっか、その方が早いね」





車に乗り込み、雄也さんのサーフショップをナビに登録する。

お店の上が、住居らしい。




二人きりの時間は、あと少しだけ。


それでも、二人の大切なものを迎えに行くんだから、早く行きたいし。





なんとも複雑な気持ちだった。




少しでもAの体温を感じてたくて、手をひっぱり、俺のももの上に乗せた。


Aはビックリしてたけど、そのままでいてくれて。


俺の手があいてるタイミングでは、その細い指の手の上に、俺の手を乗せた。






Aの指と指の間に、俺の指を入れていく。


あの日、子供が欲しいって突然言われた夜を、思い出す・・・











大貴「俺らの関係って、今は何かな」





A「んー、恋人以上夫婦未満・・・かな」





大貴「俺らは、恋人同士だった事、なかったもんな」





A「そうだね。

  でも、お互い、心の中ではそんな気持ちだった事、あったよね」





大貴「まあな・・・」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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