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A「えっどうしよう」





大貴「別にどうもしねえけど。

  学校で、月と太陽と地球とって模型を見せられて、初めて知るっていうね」





A「ちょっと、よくそれで医学部受かったね」





大貴「医学部に天文学は関係ねえだろ」





A「そうだけど。ふふっ、何か二人とも可愛い」





大貴「あー俺の子だなって思えるよな」





A「そういうとこ、結構ある。

  だから、愛おしくて仕方ないの」





大貴「俺の事もだろ?」






A「うん・・」





大貴「なんか、急にそんな素直になられると、調子狂うけど。

  やっぱ、嬉しい・・

  今までだったら、誤魔化されてたと思うし」





A「え?そうだったっけ」





大貴「明日、急に『月に帰ります』っての無しね!」





A「実家に帰らさせていただきますって、月に帰るのね。

  もう、二度と戻ってこないから」






大貴「そんな気はする。

  って、そんな事、絶対起きないから!」






こんな風に、ふざけ合って、すぐにあの頃みたいに戻れた。


いや、あの頃より、もっともっと親密になった気がする。





大貴「あー、トーマスってどんなのが欲しいのかなー」




A「あ、それはもう、じぃじに買って貰ったから大丈夫」





大貴「なんか、あげたいなー」





A「そんな事より、月からどうやってこの地球に来たか、考えといてね」





大貴「マジで?!」





A「嘘だよ・・・でも、何て言って近づくかは考えないとな。

  今日は先生だったけど、それじゃあ、パパに移行するの大変かも」





大貴「大ちゃんでいいんじゃない?

  ママも呼んでるし」





A「うん・・・そうかな」





大貴「ママには、大貴って呼んで欲しいけどね」




A「うん・・・そうだね。

  そうだ!ダイキね、いつかパパが月からのぞいてくれるの、待ってるっぽいの。

  だから、こんな細い月の時は『今日はないね』って諦めてる」





大貴「なんか、すげー可愛くない?」





A「可愛い・・・大変だけど、可愛いよ。

  大ちゃん・・・あぁ、大貴・・・ホントにありがとね」





私が腰に腕を回すと、「Aもありがと」って言いながら、顔が斜めに近づいて、久しぶりにちゃんとしたキスをした。




お月様・・・願いを叶えてくれて、ありがと。






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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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