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ルームミラー越しに目が合った。





A「うん、あそこの街から出た事ないの。

  隣の市くらいはあったかな。

  神奈川だって、都会の方は行った事ない」







大貴「雄也さんとかに、連れてってもらった事ないの?」






A「雄也は、海とか公園とか、そういう自然が多いとこに連れてってくれるの。

  私達兄弟って、所詮田舎者だから、そういうのが好きなんだよね。

  ほら、私も、緑がないと落ち着かないし」






大貴「・・・・そっか。

  じゃあなんで東京で暮らしてたの?」







A「え?!

  離婚して、実家に帰りづらかったから。

  一人ぼっちが怖くて、あの雑踏の中にいたら気が紛れるかなって思って。

  だから、ほら、仕事もいっぱいしてたし」







大貴「そんなもん?」







A「女35歳、一人で生きてく覚悟、決めてたしね。

  だから、二人で生きていくんだって思ったら、幸せだったよ。

  誰かの為に生きていく・・・なんか、パワーもらえるんだよね」






その誰かを見たら、スースーと寝ていた。


ゼーゼーがあると眠れないけど、きっと楽になったんだね、よかった。






大貴「俺もさ、Aとダイキの為に生きてく。

  ちゃんと、あれ・・・あの、そっちも辞められてるし」






A「そっちって・・・

  女遊び、ちゃんと辞められるのかな。

  もし、問題が発生しても、絶対離婚してあげないからね!

  覚悟して!」






大貴「わ、わかってるよ・・・

  今んとこ、大丈夫だし」






A「今んとこって、まだ再会して2カ月だから、その位は頑張れるよね。

  って、週に一回しか会ってないんだから、ホントの事はわかんないよね・・・」







大貴「なんだよ、信じてねえのかよ」







A「どうだろ・・・わかんないや。

  信じてて、裏切られた事、何回もあるし・・・

  私、バカだから、わかんないよ・・・」






大ちゃんは、進行方向を向いたまま、何も言わなかった。

ちょうど右折をするタイミングだったからなのか、それとも、バカな私をどうフォローしていいか分かんなかったのか・・・



どっちにしろ、モヤモヤが残ってしまった。











大貴「ここ・・・うち・・・」












指をさした所は5階建てのビルだった。






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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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