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大貴「ダイキ、今からこれを吸ってもらうんだけど、前にもやった事あるよね」




ダイキは、うなずいた。




大貴「最初に、この前ロウソクを消した時みたいに、フーッて息を吐いて、それから吸おうね。

  練習したいけど、今、ここの空気を無駄に吸わせたくねえから、大ちゃんがやるから、見てて!

  A、水のキャップ開けといて」





A「はい」




マスクと一緒に、ミネラルウォーターが入っていた。

口をゆすぐ為のものだったのか・・・

大ちゃん・・・さすがだ。





大貴「フーッて息を吐いてから、ゆっくり息を吸う・・・

  で、大ちゃんがシュッてしたらそれも吸って、1、2、3って数えるから息を止めてね」





ダイキは、目線を合わせる為にしゃがんだ大ちゃんの目をじっと見ている。

そして、大ちゃんが言うとおりに、口をとがらせて一緒にフーッてしてから、「吸うよー」って声と一緒に目を見開いて吸い始め、薬液がシュッと噴射すると、





大貴「吸って吸って!はい、止めて!1、2、3!ゆっくりはいてー」




口をとがらせたままのダイキ・・・

 


大貴「よし、口ってすすげる?

  飲まないで、出せる?」





A「すすいではいないけど、べーってするくらいは」





ダイキ「できる!」




久しぶりに、声を出したダイキ。





大貴「そっか、じゃあやってみよ。

  A、ストローも入ってない?」





A「ある・・・」






ペットボトルを持ち上げると、飲み込みやすいの?

なんかすごいって思った。





大ちゃんは、ストローで吸った水を、ドラッグストアの袋に吐く真似をして飲み込んでいた。




大貴「出来そう?」




ダイキ「うん!」




ダイキは少しだけ、水を吸い、すぐにベーッと吐き出していた。




大貴「すごいじゃん!」




そう言って、運動会の時みたいに、ハイタッチを二人でしていた。





大貴「じゃあ、またマスクして、大ちゃんの車まで行こ!」





ダイキ「うん!」




そして、ダイキを抱いて、私の方に振り返った。




A「ありがと。助かった」





大貴「なんて顔してんだよ」





そう言って、私の頭をポンポンと叩いた。





A「だって・・・・」





大貴「もう大丈夫だと思うよ。

  ごめんな、俺のせいで」







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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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