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好きな人に向かって、口を開けると思うと恥ずかしいけど、お医者さんだと思えばいいんだよね。



大ちゃんに向けて口を開くと、あごの下に手を添え、ゆっくりとその綿棒で口の中をなぞった。


どこを見ていいのかわからず、上の方を見ていた。





大貴「はい、おしまい!」





A「もう終わったの?」





大貴「うん。次、ダイキ・・・出来るよね」




A「全然痛くなかったよ。

  大ちゃん、先生だから、大丈夫だって」





ダイキ「うん・・・」





泣きはしないけど、やっぱり怖そう・・・




手袋を、新しいものに変え、「アーン」とダイキに合わせて自分の口も大きく開けていた。


ダイキは、小さく口を開けたけど、大ちゃんがあごをつかんだら、自然に大きな口になった。





大貴「はーい、もう終わるよー。

  はい、終わった!」





ほっぺをツンツンとつついて、口を閉じていいって合図を送ってた。


そういう姿にも、キュンッとする。






大貴「ホントは、Aはやんなくていいんだけど、ダイキが怖がるといけないからやっただけだから」





A「あ、うん。

  確実に私の子だからね」





この会話、大丈夫か?って思ったけど、

そんな事を言いながら、また手袋をはめ替え、自分の口の中を、私達にするより全然雑に、綿棒でぬぐっていた。





大貴「よし!終わり!

  じゃあ、寝よっか!」




ダイキは、今のが何だったのか不思議に思ってるのか、眠くなってきたのか、「あそぼ、あそぼ」と言う事はなく、





ダイキ「だいちゃんは?ねんね?」





大ちゃんは「んーー」って考えながら、私の顔を見た。





A「じゃあ、今日はママも大ちゃんのブーブに乗せてもらおっかなー」




大貴「よし、じゃあ行くか!」




私は、さすがにパジャマのままじゃ恥ずかしいので、部屋着に着替え、ブランケットを持って、先に車に向かった二人を追いかけた。




ダイキは、大ちゃんに抱っこしてもらって、真っ暗な空を・・・いや、細い月を指さしていた。





ダイキ「もう、ねんね」




大貴「そうだな、もうお月様もねんねだ」





あっちの明るい世界が気になる二人・・・


大ちゃんの優しい声が心地いいのか、ダイキはあくびをしていた。




ブランケットを、チャイルドシートのベルトの上からかけ、私達も会話をやめていた。


しばらくして、寝息が聞こえだした。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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