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一番に玄関に到着したのはダイキだった。




ダイキ「あーい!どうじょ!」




とっても嬉しそうに、扉に向かって叫んでいる。




A「はーい」




大貴「俺だけど・・・」




私だって、ダイキみたいに“嬉しい”を思いっきり表現したい!


だけど、我慢。





サンダルを履き、鍵をあけ、扉をゆっくり押した。


優しさいっぱいの満面の笑みで私を見て、「ただいま!」と言いながら中に入ってきた。






A「お、おかえりなさい・・・」





おかえりなさい・・・・





この言葉を使うのは、何年振りだろう。


保育園にお迎えに行って、たまに言ってる気もするけど、うちで大切な人を待つという事は、久しぶりで。

何気ないそんな言葉さえも、幸せを感じた。





ダイキ「なに?なに?それ」




大ちゃんは、大きな平たい箱を二つ重ねて持ち入ってきた。




大貴「ん?ダイキ、いい匂いだろ!」




箱の隙間に鼻をつけ、二人で匂いを嗅いでいる。




ダイキ「おぉ、いいにおい!」




A「ダイキ、ピザ楽しみだね!」





ダイキ「ピジャ、ピジャ!」





大貴「ピッツァだかんな。

  ダイキ、ピッツァ・・・言ってみ!」




ダイキ「ピッチャ?」




大貴「ピッツァ!」




ダイキ「ピッチャ!」





A「はいはい、上手に言えたから、いただこうねー」





ダイキ「うん!」





大貴「え?終わり?」





A「大ちゃん!あんまりアレだよ・・

  はい、サラダだけ作ったから、これも食べてね」





大貴「ダイキのは、何か違うんだな」





A「まだ大人みたいに食べられないからね。

  ピザも、ちょっとごめんね・・・」





ダイキ「ピッチャ!」





A「え?!ちょっと、ダイキに注意されたんですけど」





大貴「ダイキは、お利口だなー」




もーって思いながら、ピザの上に乗ってる具を落として、握りやすいように、細長くカットした。


ダイキの首にエプロンをかけ、




A「では、えっとピッツァ、いただきます」




ダイキ「いたらきましゅ!」




大貴「いただきます!」




A「大ちゃん、かなり汚しながら食べるんだけど、まだ手づかみの時期なのね。

  だから、かゆくなったらふくけど、それまでは我慢してね」





大貴「あぁ、わかった・・・」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時

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