第八十二章 ページ50
「血を、血をよこせぇ」
「話が通じる状態じゃねぇな」
「血をよこせぇ!!」
新八の言う通りこの状態では無理だ
そして羅刹は血を流している千鶴を見ながら刀を振りかざしたが、土方さんに斬られ左之さんによって心臓を貫かれた
「どうしてこいつが...」
「申し訳ありません。私の監督不行き届きです」
平助の疑問に答えたのはけいちゃんだった
「山南君、これはどういう...」
「私にも一体何が起きたのか...」
近藤さんの質問にはけいちゃんもわからないと述べながら、骸となった隊士を見つめる
そして、千鶴が怪我をしているとわかれば、心配して近寄ってくる
「雪村君、大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「大丈夫じゃないでしょう」
「けいちゃん。それ以上近付かないで」
私はスッと千鶴の前に出て、けいちゃんが怪我した部位に触る前に鞘に収めたままの刀を突き出しながら、強い口調で止める
「桐生君、何故....っ!?」
「けいちゃん、しっかりして」
「ぐぅっ!!」
血の匂いに当てられると分かっていて近づけさせなかったけど、この距離でも駄目だったか
「けいちゃん。そんなに飲みたいなら私の血をあげる。ほら、けいちゃんが【自分で私の身体に刃を突き立てて血を啜る】んだよ。簡単でしょ?」
「何言ってやがる夕奈!!」
そう言って私は鞘から抜いた刀をけいちゃんの手に握らせる
私の行動が信じられないのだろう、みんな驚き左之さんは物凄い顔をしながら止めようとする
だが、私は視線で止めるなと強く訴える
「桐生、君....ぐぁぁっ!!血、血が欲しい...ぐぅ!!」
「ほら、早くけいちゃん」
「...うぅっ、私には、出来ません.....!!」
白髪だった髪は元の色に戻り、目も戻ったのを確認して安堵する
「桐生君、何故こんな危険なことを....」
「信じてたから、けいちゃんを。わざとああ言うこと言えば、けいちゃんなら頑張って理性を働かせてくれるだろうと思って」
そう言って私はけいちゃんの手から刀を取り鞘に収めた
第八十二章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(あの作戦が成功してよかった。正直不安だったけど。でも、飲ませた方が良かったかな...?)
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ぷー(プロフ) - mizu217(ニイナ)さん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです!!キャラ崩壊してないかとか色々心配ですが...かっこよく書けててよかったです! (2017年8月25日 12時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
mizu217(ニイナ)(プロフ) - もう、無理です。左之さんかっこよすぎです〜!! (2017年8月25日 4時) (レス) id: 908cde38bf (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» お心遣いありがとうございます。優しさが心に染み渡ります...!これからもこの作品に目を通していただければと思いますので、よろしくお願いします。 (2017年8月24日 8時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - ぷーさん» いえいえ! こんな事言える立場では無いですが無理はしないでください!何時迄も楽しみに待っていますので! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» ご指摘ありがとうございます。全然気付きませんでした...!!また何かありましたら、教えて頂けると嬉しいです。そして、嬉しいコメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです。これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月21日 10時