第七十九章 ページ44
「ちょっと、なんで黙るの。似合わない?」
「ーーーーえ、なっ、夕奈ちゃん?!」
「そうだけど。私以外にいないでしょーが」
新八のあまりの驚き具合に小さく苦笑いする
化粧するとやっぱ全然違うから驚くよね
「夕奈ちゃん、凄く綺麗だよ。ね、はじめくん」
「え、あ、あぁ...そうだな....に、似合っている」
照れてるはじめくんはとても可愛くて思わず笑う
こんな姿をしているからには、少しでも上品に見せるために着物の袖口を持って口元を覆いながらクスクスと笑ってみる
「なんか、すげぇ見違えちまったよ!千鶴は可愛いけど、夕奈は綺麗だな!」
「だなっ!驚くくらいの別嬪だぜ!!」
「二人とも調子良すぎ。褒めてもなんも出ないからね」
平助と新八は大袈裟とも取れるような言い方をしてくるが、内心照れております
だってこんな褒められることないから照れ臭いじゃん!!
「ーーー夕奈。すげぇ綺麗だ。似合ってる」
「っ!!」
左之さんは優しく微笑みながら、真剣な声で言ってくる
そんな左之さんにドキッと大きく心臓が跳ね上がり、一気に身体の芯から熱が帯びていくのがわかる
「ねぇ、夕奈ちゃん。僕にお酌してよ」
「え、あぁ、うん」
「おいおい総司。今回は俺の手柄でここに来てんだぜ?俺が先だろ」
「いーや、ここは女物の着物を着させるって案を出した俺が先だ!」
「みんなずりぃよ!俺だって夕奈にしてほしいんだけど!」
「桐生はんは人気者どすなぁ」
......こいつら何なんだ
小学生のようなやり取りをするみんなを見て呆れてしまい溜息をつく
私は一人静かに飲んでいるはじめくんの隣に行き腰を下ろす
「「「「!!!!」」」」
みんな驚いて私を見れば、代表してなのか総司が口を開いた
「何で一番が一くんなわけ?」
「みんなみたく煩くないし、一番害が少ないから」
ピシャッと言い切ればみんなは明らかにがっくりと肩を落とす
そんな光景が面白くてクスクスと笑いながら「後でちゃんと一人ずつお酌するから」と言えば渋々だが納得してくれたようだった
一人ずつお酌し終わった後、左之さんの腹踊りが始まった
これか、例のやつは
そんな事を思いながら、戻ってきた土方さんと千鶴を交え、みんなして騒いでたくさん笑い合った
第七十九章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(みんな揃ってたくさん騒いでたくさん笑い合って、そんな日が少しでも長く続いてほしい、なんて儚い願いだよね)
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ぷー(プロフ) - mizu217(ニイナ)さん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです!!キャラ崩壊してないかとか色々心配ですが...かっこよく書けててよかったです! (2017年8月25日 12時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
mizu217(ニイナ)(プロフ) - もう、無理です。左之さんかっこよすぎです〜!! (2017年8月25日 4時) (レス) id: 908cde38bf (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» お心遣いありがとうございます。優しさが心に染み渡ります...!これからもこの作品に目を通していただければと思いますので、よろしくお願いします。 (2017年8月24日 8時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - ぷーさん» いえいえ! こんな事言える立場では無いですが無理はしないでください!何時迄も楽しみに待っていますので! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» ご指摘ありがとうございます。全然気付きませんでした...!!また何かありましたら、教えて頂けると嬉しいです。そして、嬉しいコメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです。これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月21日 10時