第七十一章 ページ30
よし、当たって砕けろ桐生 夕奈!!
「左之さん、失礼します」
何故か敬語になる私
だって左之さん顔怖いんだもん
一人頭の中で格闘しながら左之さんに早足で詰め寄り目の前でピタリと止まれば、立ったまま両手を頭に乗せ髪を触る
「ーーーっ!?」
驚いている左之さんの顔を上から見下ろすのは新鮮
硬いと思ってたけど意外と柔らかい?
んー、でも硬いかなぁ
なんか、左之さんって感じだ
よくわかんないけど
この跳ねてる具合とかちょっと可愛いかも
一人でクスクスと笑いながら触って堪能していると、左之さんは私の手首を優しく掴んで止めた
「??」
首を傾げながら左之さんを見下ろせば、左之さんは上目遣いで見上げてくる
あ、ちょっとこの顔やばい
イケメン、萌える、キュン死にする、鼻血出る
「お前、そうやって誰にでも触んのか?」
「え?あぁ、今日は気になっていた事の一つに入ってたみんなの髪の毛を触るってのを実行してたからね!みんなの髪触れて幸せだった」
思い出しながらニヤニヤする私は間違いなく変態だろう
別に髪フェチとかではないけど、アニメやゲームの中の人達の髪ってどんな手触りが気になるじゃん?
「.......はぁ。夕奈、もっと自覚しろ。お前は女なんだぜ?」
「自覚?女だけど、男友達?男仲間?に触れるのは別に大した問題じゃないと思うんだけど...」
その辺はあまり気にしない私
でも、左之さんに誤解されたくないから今度からは気をつけよう
左之さんは盛大な溜息をつきながら、掴んでいた手首を離し丁度目の前の位置にある私の腰に腕を回して、額をお腹にくっつけてきた
......ぎゃあぁぁぁぁ!!!!!
何これ何これ何これ!!!???
死ぬ!!!
「無自覚ってのはたち悪りぃな....。夕奈、頼むから新八にしたような事はもう誰にもすんじゃねぇ」
「....わかった」
左之さんの言葉に素直に頷く
だって、好きな人には嫌われたくないし
「男はみんな狼なんだぜ?そのうち喰われてもしらねぇぞ?」
「大丈夫。みんなそんな事しないよ。それに私、可愛くも美人でもないから誰も眼中にないよ」
「お前は十分可愛い」
左之さんの言葉を笑いながら否定する
ゆっくりと離れた左之さんを目で追うが、聞こえた言葉に少なからずドキッとした
第七十一章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(みんなとの思い出を増やすために、私は身体を張る!)
(頼むから自覚してくれ。じゃねぇと、本当に俺が喰っちまうぜ?)
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ぷー(プロフ) - mizu217(ニイナ)さん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです!!キャラ崩壊してないかとか色々心配ですが...かっこよく書けててよかったです! (2017年8月25日 12時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
mizu217(ニイナ)(プロフ) - もう、無理です。左之さんかっこよすぎです〜!! (2017年8月25日 4時) (レス) id: 908cde38bf (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» お心遣いありがとうございます。優しさが心に染み渡ります...!これからもこの作品に目を通していただければと思いますので、よろしくお願いします。 (2017年8月24日 8時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - ぷーさん» いえいえ! こんな事言える立場では無いですが無理はしないでください!何時迄も楽しみに待っていますので! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - Asoraさん» ご指摘ありがとうございます。全然気付きませんでした...!!また何かありましたら、教えて頂けると嬉しいです。そして、嬉しいコメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです。これからも楽しんで頂けるよう頑張ります! (2017年8月23日 22時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月21日 10時