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第三十八章 ページ7

「.........夕奈....夕奈!!」


いきなり近くで大きな声が聞こえ肩が大きく跳ね上がり、声のした方を見るとーー


「どうした?ボーッとして。大丈夫か?」


そこには心配そうな顔をした左之さんがいた

一人考え事に浸っていて全く周りの声が聞こえていなかった事に自分でも驚く


「あ、いや...大丈夫」


作り笑いを小さく浮かべながら答えれば、総司の声が聞こえてきた


「それで?説明してくれるんだったよね?」


総司の言葉にその場にいたみんなが一斉に私を見る
別に嘘つくこともないため、私は正直に話した




「なるほどな。だから互いに知ってたわけか」


説明し終わった後に土方さんが息を吐きながら言った言葉に頷き肯定する


「ったく。お前はしらねぇ所で何してやがる」


「え、別にお団子食べて話してただけ」


「俺が言ってんのは、何でこの先敵になるってわかってる奴と仲良くなって、なにしてんだよって事だ!」


「....ちょっと、一人になりたい」


私は言い終えると同時に、誰とも顔を合わせることなく立ち上がって広間を後にした




壬生寺の境内に辿り着き、階段に腰を降ろせば空を見上げて考える

ぐるぐると考えていれば、いつの間にか左之さんが目の前にいた


「....どしたの?左之さん」


「いや、気になってな。大丈夫か?」


「んー、割と大丈夫じゃないかも...?」


心配してくれている左之さんに感謝しながらも、私は苦笑しながら体育座りをして縮こまる

自然と深い深い溜息が漏れる
何も言わない私の隣で、左之さんは黙ってずっとそばに居てくれる
なんか、左之さんの前だと気が緩んじゃうな

そんな優しが凄く嬉しくて、有り難くて、心に染みる

よしっ!!!
と気合を入れて勢い良く立ち上がり、深呼吸を二回程してから左之さんを見て口を開く


「ごめん左之さん!もう大丈夫。ありがと」


「俺は何もしてねぇだろ?」


「何も聞かず黙ってそばに居てくれたじゃん。それだけで十分。だから、ありがと。さて、戻ろっか!」


少し苦笑いの左之さんを見て笑顔を浮かべお礼を述べる
屯所へ戻るために、まだ座っている左之さんの手を取り立ち上がらせれば、二人で階段を降りて行った




第三十八章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(左之さんのそういう優しさに救われる)

(何でもかんでも一人で背負いやがって。少しは俺を頼ってくれ)

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設定タグ:薄桜鬼 , トリップ , 原田落ち   
作品ジャンル:アニメ
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時

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