才能マンの兄もまた才能マン (ページ8)

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勝己side

『ただいま』

兄貴が帰ってきた

光己「おかえり！新しい学校はどうだった？」

『面白いよ。先生もクラスメートも』

光己「そう」

『勝己。ただいま』

勝己「……チッ遅いんだよ。」

『わりぃな』

と俺の頭をぐしゃぐしゃ撫でる兄貴

『着替えくる』

光己「正直に寂しいって言えばいいのに」

勝己「あ"ぁ？！べ、別に寂しくなんかねぇし！！」

光己「はいはい」

勝己「チッ……クソが……」

でも気になるのは確かだ。帰ってきたとき機嫌がいいとすぐ分かった。今までの学校生活で機嫌がよかったことはほとんどないから余計に分かりやすい

『母さん。手伝うよ』

と戻ってきた兄貴は黒のタンクトップにジャージだ
パッと見でも鍛えてあるのがわかる

兄貴の身体能力には驚かせられるものがある。何度も兄貴と勝負したことがあった……けど俺はことごとく負けた

"なんでそんなに強いんだ"

なんて聞いたこともある
そしたら兄貴は

《『わかんないな。それに勝己と違って個性もないしお前の方が断然強いよ』》

なんて謙遜した。だから本当の理由は知らない

『父さん今日は遅いのかな？』

光己「そうね。先に食べよっか！」

ガタッと席につく

「「『いただきます』」」

光己「ん～♡流星の作るハンバーグ美味しい」

『よかった……勝己はどう？』

勝己「……悪くねぇ」

嘘だ。めちゃくちゃうまい。は？あの短時間でこんなうまいハンバーグ作れるってどういうとこだ？

『そう、よかった』

なんて微笑む兄貴
時々……その真っ直ぐな瞳が怖くなる。この家の暗黙のルール……

"爆豪流星を怒らせてはいけない"

いつだったかは覚えてないでも俺たちを……家族を馬鹿にされてキレた兄貴は誰にも止められなかった。
ババアが必死にしがみついて泣いたところで兄貴は我に返ったのだ

そこから兄貴は怒らせてはいけないというルールがついた。尚この事は兄貴は知らない

兄貴は大切なものの為に怒る。自分のことなんて二の次……けど一定数を越えると俺たちも叱られることがある。怒った兄貴は何よりも恐ろしい

「「『ご馳走さまでした』」」

『勝己。筋トレ付き合ってくれ』

勝己「……ん」

と言われいつも通り兄貴の背中に乗ると兄貴は人差し指で腕立て伏せをし始める

光己「オーバーワークしないようにね？」

『うん』

たしかランニングもしてるんだったか……明日から俺も走り込み始めるか……