。繰り返して30回目 。 ページ32
'
「今なんて言った…?」
望未さんの父親にどれだけ睨まれようが
「婚約破棄は…しません、っ」
そう、言った。
「……望未が全て話してしまったらしいな。
お前の母親を殺したのは五条家の連中なんだぞ?
自分の母親を殺した連中のところに嫁ぐってか?
……笑わせてくれる」
「っ……」
脳裏に思い出されるのはお母さんだった。
心の奥底で、どうしてお母さんは殺されたのか。
どうして五条家はお母さんを_____
そんな思いで頭が、胸が、いっぱいになる。
そして追い打ちをかけるように
「そろそろ気づいたらどうだ?
お前のせいで五条悟の評判はガタ落ちだぞ?」
「……」
心臓が、ドクン、と波打った。
「術式も使えない。やれるのは帳を張るぐらい。
挙句の果て仲間を殺そうとした奴が婚約者…
____評判が落ちる以外に何がある?」
「…」
私が……私の…せいで……
「五条悟の事を思っているのなら、大人しく手を引け。
婚約破棄の事を五条悟に伝えろ。
そうすれば私も上の連中に罰を軽くして欲しいと頼もう。
本来処刑だったらしいが……免れるはずだ。」
……処刑…
「それに加えてまた雑用係としてうちに置いてやる」
「………」
「お前のせいで報告書なり、始末書がたまってるんだ。」
「……」
「____頼んだぞ。A」
そう笑いながら、私の肩に手を置いて部屋から出ていった。
、
1人残された部屋。望未さんの父親の笑い声が廊下に響き渡る。
笑い声が聞こえなくなれば、静けさが再び戻った。
「……」
ぶたれた所、蹴られた所が痛むが、それ以上に胸が苦しい。
_____言い返せなかった。
だって……それは本当のことだから…
分かってたけど…知らないフリをした
貴方の婚約者でいたかったから。
貴方と一緒にいたかったから。
貴方のことが好きだったから。
「……」
けど…もう……それすらも叶わない。
私……処刑だったんだ…
ふと、このまま死んでしまいたい。そう思った。
でも……
____
【Aさん!指輪みせてー!!】
【何回目だよ釘崎!】
【きっとこんな高い指輪生涯お目にかかれないわよ!
ほら、伏黒も見ときなさいよ!】
【俺は五条先生から相談受けてたからな】
【なにそれ初耳!!】
_____
「っ……」
死ねない、死ぬわけにはいかない……
答えは一つだけだった。
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アキ(プロフ) - 黒姫ユキナさんの作品どれも泣いてしまう作品ばかりでほんとに読んでて切ない、😭💕 (2022年10月28日 20時) (レス) @page21 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ドキドキとハラハラが止まりません…‼︎更新いつも楽しみにしています! (2022年10月27日 20時) (レス) @page44 id: ab187a6c5b (このIDを非表示/違反報告)
ラグすぎるって - 応援してます! (2022年10月27日 19時) (レス) id: 62ead42611 (このIDを非表示/違反報告)
ラグすぎるって - 夢主ちゃんが幸せになりますように! とても素敵作品で続きがとても気になってハラハラドキドキしてます! 更新頑張ってください!! (2022年10月27日 19時) (レス) @page44 id: 62ead42611 (このIDを非表示/違反報告)
︎︎ラムネ - 毎日読ませて頂いてます 🙏🏻 とても素敵な作品ありがとうございます 。 (2022年10月27日 6時) (レス) @page37 id: a6303a4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月21日 20時